| EN |

Ryoji Ikeda:systematics
Events
Published: October 21 2013

Ryoji Ikeda, systematics [nº1-1], 2012
© Ryoji Ikeda / Courtesy of Gallery Koyanagi

この度ギャラリー小柳では、11月1日(金)から12月21日(土)の会期で、日本を代表する電子音楽作曲家であり、アーティストとして国際的に活躍する池田亮司の個展「systematics」を開催いたします。

池田亮司(1966年生まれ)は1990年から音楽活動を開始。1995年以降、コンサートやインスタレーションなどを通じてサウンドアートの領域で積極的に作品を発表してきました。超音波、周波数など音のもつ物理的特性や、時間や空間をめぐる人間の知覚を突き詰め、デジタルテクノロジーを極限まで駆使して生み出される池田の作品は、これまでにない新たな体験を私たちに促すものです。表現媒体を超えて制作を続ける池田は、ウィリアム・フォーサイス(振付家)、伊東豊雄(建築家)、杉本博司(現代美術家)、そしてアーティスト集団ダムタイプとのコラボレーションなど、さまざまな分野へと活動の幅を広げています。

近年、池田の活動はますます大きな注目を集めております。ニューヨーク最大規模のインスタレーション・プロジェクト「パーク・アベニュー・アーモリー」(2011年)を始め、2011年にはコロンビア国立大学美術館(ボゴタ)、2012年にはハンブルガー・バーンホフ現代美術館(ベルリン)とDHC/ART(モントリオール)で大規模な個展が開催されました。白色光のタワーとサイン波による巨大インスタレーション「spectra」も前回のあいちトリエンナーレ以降、ブエノスアイレス(2012年)、タスマニア(2013年)、シャルジャ(2013年)と世界各地で展開しています。また、量子力学や量子情報理論を作品化しようとする新プロジェクト「superposition」が始動。昨年パリ、ポンピドゥ・センターで初演されたパフォーマンス・バージョンが、今秋、京都芸術劇場 春秋座で日本初演されます。その他の今年の活動としては、ルール・トリエンナーレ(ドイツ、デュイスブルク)で100メートルにおよぶ大規模インスタレーションを、ファンダシオン・テレフォニカ(マドリード)、ヴァザルリ財団美術館(フランス、エクス・アン・プロヴァンス)でもそれぞれ新作インスタレーションを発表しております。

ギャラリー小柳での二回目の個展となる今回の展示では、昨年のDHC/ARTでの個展で発表された新シリーズ「systematics」を日本初公開します。草創期のコンピューターで使われたパンチカードや自動演奏ピアノのためのピアノロールなど、かつてのデータの記録媒体を精緻なライトボックスに収めて、記録の考古学を展覧いたします。真っ黒に塗装されたパンチカードやピアノロールからは一切の意味を剥奪され、ライトボックスの強烈な光によって整然と並ぶ穴のパターンの数学的な美しさが強調されるのです。また、池田が2006年より継続しているシリーズ「datamatics」の膨大なデータ群をカラーとモノクロのマイクロフィルムに変換、同様にライトボックスに封じ込めることにより、集積されたデータのアーカイブ化を試みます。

ギャラリー小柳

[作家プロフィール]
池田亮司 Ryoji Ikeda
1966年 岐阜県に生まれる
現在、フランス・パリ在住

主な個展
2013「spectra [sharjah]」(シャルジャ、UAE)
「Ryoji Ikeda: systematics」ギャラリー小柳(東京)
「the rader [fondation vasarely]」Fondation Vasarely(エクス・アン・プロヴァンス、フランス)
「data.path」Espacio Fundación Telefónica(マドリード、スペイン)
「test pattern [100m version] 」ルール・トリエンナーレ(デュイスブルク、ドイツ)
「spectra [tasmania]」(タスマニア、オーストラリア)
「test pattern [nº5]」Carriageworks(シドニー、オーストラリア)
2012「Ryoji Ikeda」DHC/ART(モントリオール、カナダ)
「spectra [buenos aires]」Usina del Artes(ブエノスアイレス、アルゼンチン)
「datamatics」LABoral Centro de Arte y Creación Industrial(ヒホン、スペイン)
「db」Hamburger Bahnhof(ベルリン)
2011「datamatics」Museo de Arte, Universidad Nacional de Colombia(ボゴタ、コロンビア)
「the transfinite」Park Avenue Armory(ニューヨーク)
2010「Ryoji Ikeda」ギャラリー小柳(東京)
「test pattern [n°3]」Théâtre de Gennevilliers(パリ)
「the transcendental」FIAF Gallery(ニューヨーク)
2009「Ryoji Ikeda」Ikon Gallery(バーミンガム、イギリス)
「Ryoji Ikeda: data.tron/data.scan」Surrey Art Gallery(バンクーバー、カナダ)
「data.tron, MIC Toi Rerehiko」Media and Interdisciplinary Arts Centre(オークランド、ニュージーランド)
「data.tron [8K enhanced version]」Deep Space venue, Ars Electronica Center,(リンツ、オーストリア)
2008「V≠L」Le Laboratoire(パリ)
「+/- [the infinite between 0 and 1]」東京都現代美術館(東京)
「spectra [Amsterdam]」dream amsterdam 2008(アムステルダム)
2002「db」NTT インターコミュニケーション・センター (ICC)(東京)

[オープニング・レセプション 11 月 1 日(金)18:00~20:00 作家来廊]


全文提供:GALLERY KOYANAGI
会期:2013.11.1~2013.12.21
時間:11:00 - 19:00

会場:GALLERY KOYANAGI
Last Updated on November 01 2013
 

Related Articles


| EN |