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Janet Cardiff and George Bures Miller:Experiment in F# Minor
Events
Published: July 19 2013

Janet Cardiff and George Bures Miller
Experiment in F# Minor, 2013
Mixed media interactive sound installation including 72 loudspeakers on two wooden worktables
2.44 m x 1.83 m
© Janet Cardiff and George Bures Miller / Courtesy of Gallery Koyanagi

この度ギャラリー小柳では、8 月 7 日(水)から 10 月 19 日(土)の会期で、ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーによる個展「Experiment in F# Minor(嬰ヘ短調の実験)」を開催いたします。
ジャネット・カーディフは 1957 年、カナダ、オンタリオ州ブリュッセル生まれ、ジョージ・ビュレス・ミラーは 1960 年、カナダ、アルバータ州ヴェグルヴィル生まれ。アルバータ大学で出会った二人は、1995 年頃から共同制作を開始、現在はブリティッシュ・コロンビア州のグリンドロッドとドイツ、ベルリンに活動の拠点をおいています。 「音」を核とするカーディフ&ミラーの作品群は、じっさいに聞いて、見て、感じることにより、鑑賞者を一瞬にして異空間へと運び、日常とは異なる体験をもたらします。
カーディフの名を一躍世に広めた〈ウォーク〉シリーズは、ヘッドフォンから流れるカーディフの語りに導かれて公園や美術館、街中などを巡り、目前の光景と、聞こえてくる音によって創り出される情景と物語が交錯し、鑑賞者のあらゆる知覚を覚醒させるもの。また、極めて高度な音響技術を駆使して、その空間を立体的な音の体験空間につくり上げるサウンド・インスタレーションも数多く手がけており、昨年のドクメンタ 13(ドイツ、カッセル)で発表された《森、千年のあいだ》(2012)では、カッセルの森のなかに設置された 30 個を超えるスピーカーにより、タイムスリップしたかのように森が刻んできた千年の時の流れを体感させる壮大なサウンドスケープを現出させ、話題を集めました。本年のあいちトリエンナーレでは、40 人の聖歌隊の声を別々に録音し、整然と並べられた 40 台のスピーカーで再構成した代表作《40 声のモテット》(2001)が出品されます。
ギャラリー小柳での初個展となる今回の展覧会では、カーディフ&ミラーの最新作である《Experiment in F# Minor 嬰ヘ短調の実験》(2013)を展示いたします。
暗いギャラリー空間に浮かび上がる大きなテーブルの上には、あらゆる形と大きさの 72 個のスピーカーが林立するように設置されています。鑑賞者の動きや影によって、人の声からピアノ、エレキギターやドラムビート、さらにクラッシックからロックまでのあらゆる音が、時には静かに流れ、時には複雑に混じり合った楽曲となり、無限に変化する音楽を奏でます。そして人がいなくなると音楽は静かになり、やがて無音が訪れます。まさにカーディフ&ミラーの真骨頂とも言える最新のサウンド・ピースを体験いただける絶好の機会となるでしょう。

ギャラリー小柳

[作家プロフィール]
ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー
Janet Cardiff and George Bures Miller

ジャネット・カーディフ Janet Cardiff
1957 年、カナダ オンタリオ州ブリュッセル生まれ

ジョージ・ビュレス・ミラー George Bures Miller
1960 年、カナダ アルバータ州ヴェグルヴィル生まれ
現在、ブリティッシュ・コロンビア州グリンドロッド/ドイツ、ベルリン在住

[主な個展]
2013 「ロスト・イン・メモリー・パレス:ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー」オンタリオ美術館、トロント、カナダ
2012 「ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー:カラスの殺害」パーク・アベニュー・アーモリー、ニューヨーク
「ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー:ゲッツ・コレクションより」ハウス・デア・クンスト、ミュンヘン
「ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー:カラスの殺害」キアズマ現代美術館、ヘルシンキ、フィンランド
2011 「ケーテ・コルヴィッツ・プライズ 2011:ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミ
ラー」ベルリン芸術アカデミー、ベルリン
2010 「カラスの殺害&ストーム・ルーム」アルバータ美術館、アルバータ、カナダ
「シップ・オ・フールズ」ルミナート・フェスティバル、トロント、カナダ
2009 「オペラ・フォー・スモール・ルーム」カーネギー美術館、ピッツバーグ
「カラスの殺害」ハンブルガー・バーンホフ現代美術館、ベルリン
「ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー」メゾンエルメス、東京
2008 「ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー:本の家には窓がない」フルーツ・
マーケット・ギャラリー、エディンバラ、スコットランド/オックスフォード近代美術館、オクスフォード、イギリス
2007 「キリング・マシーンとその他の物語 1995-2007」バルセロナ現代美術館、バルセロナ/マティルデンヘーエ・インスティテュート、ダルムシュタット、ドイツ/マイアミ美術館、マイアミ
2006 「ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー」ルイジアナ近代美術、フムレベック、デンマーク
2005 「シークレット・ホテル:ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー」ブレゲンツ美術館、ブレゲンツ、オーストリア
「ゴーストマシーン」ビデオウォーク、ヘッベル劇場、ベルリン
2003 「ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー」ホワイトチャペル・アート・ギャラリー、ロンドン
2002 「パラダイス・インスティテュート」カナダ・ナショナル・ギャラリー、オタワ/パワープラント現代美術ギャラリー、トロント/コーコラン・ギャラリー、ワシントン DC
「ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー」ハンブルガー・バーンホフ現代美術館、ベルリン
2001 「パラダイス・インスティテュート」カナダ・パビリオン、第 49 回ヴェネチア・ビエンナーレ
「ジャネット・カーディフ:ジョージ・ビュレス・ミラーとのコラボレーションも含めた作品についての研究」PS1 コンテンポラリー・アート・センター、ロング・アイランド/モントリオール現代美術館、モントリオール、カナダ(2002)/カステロ・ディ・リヴォリ現代美術館、トリノ、イタリア(2003)
「40 声のモテット」カナダ・ナショナル・ギャラリー、オタワ/ソールズベリー大聖堂、ソールズベリー、イギリス/バルティック現代美術センター、ゲイツヘッド、イギリス/PS1 コンテンポラリー・アート・センター、ロング・アイランド

[主なグループ展]
2012 「ドクメンタ 13」(森、千年のあいだ)(アルター・バーンホフ・ビデオウォーク)カッセル、ドイツ
2010 「瀬戸内国際芸術祭 2010」(ストーム・ハウス)豊島、香川
「レゾナンス 共鳴」サントリーミュージアム天保山、大阪
「ホワイト・ライト・フェスティバル」リンカーン・センター、ニューヨーク
2009 「万華鏡の視覚:ティッセン・ボルメミッサ現代美術財団コレクションより」森美術館、東京
「大地の芸術祭:越後妻有トリエンナーレ 2009」(ストーム・ルーム)新潟
「恵比寿映像祭」東京都写真美術館、東京
2008 「第 16 回シドニー・ビエンナーレ」(カラスの殺害)シドニー、オーストラリア
2006 「見えない展覧会」ヴィゴ現代美術館、ヴィゴ、スペイン
2005 「横浜トリエンナーレ 2005」横浜、神奈川

オープニング・レセプション 8 月 7 日(水)18:00~20:00 作家来廊


全文提供:GALLERY KOYANAGI
会期:2013.8.7 (Wed) – 10.19 (Sat)
時間:11:00~19:00

会場:GALLERY KOYANAGI
Last Updated on August 07 2013
 

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