元田久治 展 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2009年 7月 07日 |
元田は東京のランドマークである東京タワーや国会議事堂、または東京を象徴する銀座や渋谷といった都市風景を廃墟として描く作品を発表しています。 私達は見慣れた風景を当たり前の日常として、あたかも不変的な事象として捉えがちですが、実はそれらはとても儚く、明日もそこにあるかどうかは誰にもわからないものです。2001年9月11日、NYのワールドトレードセンターは一瞬にして消えてしまいました。しかし、はたして元田の作品で描かれる廃墟は、破壊や崩壊と言ったネガティブなものなのでしょうか。既存の価値観から新たな価値感、新たな世界へと変貌を遂げる、建設的な一過程かもしれません。荒廃した風景の中の僅かな緑は、まだそこに時間が流れ、希望があることを伝えているようです。 明日もそこにあるかわからない不安と未来への憧憬とが混在する元田久治の新作展、この機会に是非ご高覧ください。 元田久治 個展 ※全文提供: hpgrp GALLERY 東京 |
最終更新 2009年 7月 31日 |
廃墟化した都市の光景を描く元田の個展。着彩作品をメインにした展示だが、一方で元田が手がける版画作品(リトグラフ)と比べると、イメージとしての強度が随分弱まってしまっていることに気づく。現実でも架空でも、「廃墟」のイメージが目新しいものではない以上、そこからもう一段階上乗せしないかぎり作品として成立するのは難しい。