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福原寛重:Instantiation
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 4月 17日

"through a break in the clouds of numberless daylight"
acrylic, silkscreen and silver leaf on paper mounted on wooden panel, 1600 x 1600 mm, 2013

このたȀ、AI KOWADA GALLERY では福原寛重の個展「Instantiation」を開催いたします。大学在 学中の 97 年にアーティストとしてフィリップモリスアートアワード、ファイナル・セレクションに選ば れ、PS1MOMA(ニューヨーク、アメリカ)でのグループ展に参加し若手アーティストとして脚光を浴Ȁ 始めたころにグラフィックデザイナーとして転向した福原は現在、数々のヒット商品のロゴ、または企業 ロゴなどを制作し活躍しています。
福原は 09 年ごろよりアーティストとしての制作を再開して以来福原は鉛筆を用いて均一な太さの実線 に依ってモティーフを構成する」というユニークな技法をもちいた平面作品を発表しています。2010 年 の PULSE アートフェア(ニューヨーク)では個展ブースごと即日ソールドアウト。同じくニューヨーク で開催されたアメリカ最大のアートフェア”The Armory Show”でも完売し、現在欧米のコレクターに大 変注目されています。また福原は「ただǿたすら線を描くというシンプルな行為を表現へと昇華させ、彼 に描かれた実線の集積は奥行きや混沌とした世界観を表現している」とその独特な技法のみならず、すぐ れた表現力でも高い評価を得ています。
福原は黒く塗られたキャンバスに鉛筆で葉や花、波や馬などのイメージをいっさいの下書きも作らずに 均等の細さや等間隔で無数の実線で描きます。キャンバスは一見するとただ黒い画面ですが、間近で見る と鉛筆で端から端まで描き尽くされたそれらのイメージが浮かȀ上がります。黒の地に鉛筆というシンプ ルなメディアの特徴により見る者の環境(画面までの近さや明るさの種類)によりイメージはさまざまに 表情を変えるのです。本展覧会では福原を代表する黒作品のほか、黒の技法を応用し銀箔の平面作品など、 日本未公開の新作を発表いたします。

物理的な法則、構成・バランスといった彼自身のなかにもある作為や意図から自由になることを模索し 新しいメディアや技法に取り組んできた福原は、この度過去最大サイズに挑みました。遠目に見た時の黒 の深さとそこに潜む正位置すらないようなモティーフの戯れがさらに鮮やかにコントラストをなし、福原 の追求し続ける“表現があること(実線)/表現がないこと(空間)”のせめぎ合いがより一層の迫力を持 って繰り広げられています。是非、貴誌・貴社にてご紹介下さいますよう宜しくお願い致します。

[作家プロフィール]
福原寛重
1975 年大阪府生まれ、東京都在住。大阪芸術大学芸術学部デザイン学科修了。
主な展覧会に、「Recursion」(AI KOWADA GALLERY、東京、2012 年)、「BUZZ CLUB: News From Japan」
(PS1、ニューヨーク近代美術館、ニューヨーク、アメリカ、2001 年)、「開館記念展“メッセージ/言葉
の扉をǿらく”」(せんだいメディアテーク、2001 年)、「第1回 フィリップモリスアートアワード最終審
査展」(スパイラル、1997 年)などがある。

作家とのオープニング:5 月 11 日(土)18:00 - 20:00


全文提供:AI KOWADA GALLERY
会期:2013年5月11日(土)~2013年6月15日(土)
時間:12:00 - 19:00
休日:日・月・祝
会場:AI KOWADA GALLERY
最終更新 2013年 5月 11日
 

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