森晴子の過去の作品に見る白と黒のシルクプリントの作品から、日常にある感情や物理的形を捉える力、またそれを構成しなおす彼女の作風に惹かれ、今回個展を企画してきました。白と黒の世界から飛び出し、現在新しい作風を持って表現を続ける彼女の精力的な制作活動にも一目置くと共に、色のパレードのような賑やかな世界観にもまた新しいファンを作り出すことでしょう。水の中でちりばめた生き物達が平面の作品の中で自ら色を発しながら踊るような躍動感のある画面にはまた新しい息吹を感じずにはいられません。一つ息を吐き彼女の作品の中に無垢に向き合うことで小さな世界に踊らされる滑稽な自分を投影し微妙な色の配色具合に視覚が揺らめく感覚も不思議と心地の良い作品です。

［作家コメント］
描かれている生き物や植物は、私たち人間と同じようにそれぞれの世界で家族を持ち、生活をしている。
彼らにもきっと大切な仲間がいて、互いに支え合っているのだろう。
私がこの世に生まれて、日々過ごせるのは家族や友人、恋人がいつもそばに居てくれるから。
彼らに愛され、また彼らを愛し、そのサイクルは当たり前のように日々廻っているけれど決して忘れてはいけない、失ってはならない一番大切なこと。彼らの存在に感謝し、尊い、これからも愛し愛され続けたい。
作品を通し、大切な人たちとの間に生まれる貴重な空間を表現したいと思う。

［作家プロフィール］
森晴子
(Haruko Mori)
画家（油彩・版画）
1987年　愛知県生まれ
2010年　愛知県立芸術大学　美術学部　　　　油画・版画領域　卒業
2012年　愛知県立芸術大学　博士前期課程　油画・版画領域　卒業
個展　＠ギャラリーイントラート　
アートフェア出展　ART MARCHE 2012 ＠神戸メリケンパークオリエンタルホテル

オープニングレセプション 18:00〜