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LOVE展 : アートにみる愛のかたち―シャガールから草間彌生、初音ミクまで
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2012年 12月 27日

フリーダ・カーロ《私の祖父母、両親そして私(家系図)》1936年 | 油彩、テンペラ、ジンク板 | 30.7×34.5 cm | ニューヨーク近代美術館蔵 | Gift of Allan Roos, M.D., and B. Mathieu Roos. Acc. n.:277.1987.a-c. | © 2012. Digital image, The Museum of Modern Art, New York/Scala, Florence

草間彌生《水玉強迫》2004年 | インスタレーション(ミクストメディア)| 撮影:中野正貴 | 展示風景:「クサマトリックス:草間彌生展」、森美術館

《初音ミク》Illustration by KEI | © Crypton Future Media, INC. www.piapro.net

「愛」という言葉は一つでも、その内容は恋愛、家族愛、自己愛、人類愛など多様な広がりがあります。誰かをいとおしく思い、何かを大事にする気持ち、他者を受け入れる寛容さなどは、日々の生活の中で誰もが自然に抱く感情でしょう。しかし愛は同時に、執着、嫉妬、憎しみ、恨み、敵対心などの感情を呼び起こし、争いや確執の原因となることもあります。愛の名の下に生じる暴力や争いは、家庭から国家まで、あらゆる集団内で起こりうる問題です。一方、私たちはいま、世界の政治的、社会的、宗教的価値観が大きく変化する時代を迎えています。
伝統的な仕組みとしての国家、家族、男女の関係などの概念もまた変容し、多様化しています。インターネットを通じて膨大な情報へのアクセスが可能となり、ソーシャルメディアなどによる今までなかった人と人のつながりの形も注目されています。新しい技術が遺伝子の仕組みから宇宙空間の広がりまで、私たちを取り巻く現実の姿を解明し、人間の生の意味を問い直しつつある中で、愛の形もまた新たな姿で立ち現れつつあるのかも知れません。
愛の概念や定義は、地域や時代によって、また宗教観や文化によっても異なります。しかし、古今東西、愛に関わるテーマがあらゆるジャンルの芸術家たちに多彩なインスピレーションを与え続けて来たことは間違いありません。 本展覧会では、国内外から集められた多様なアート作品を5つのセクション、「 愛ってなに?」、「 恋するふたり」、「 愛を失うとき」、「家族と愛」、「広がる愛 」を通して紹介し、複雑で変化に富んだ「 愛 」の姿をさまざまな視点から探っていきます。
2011年 3月に、東日本大震災という未曾有の大惨事を経験した日本において、私たちは愛や絆、人とのつながりの大切さを改めて強く感じています。本展覧会を通し、災害、不況、紛争が耐えない世界状況の中で、多くの人たちと共に愛と平和に満ちた社会を構築するために、共に歩んでいくことの重要性を呼びかけたいと思います。 今後どのように世界地図が変化し、人々のコミュニケーションの方法が発達しても、愛は人類の根源的なテーマであり続けるでしょう。

出展作家

アーデル・アービディーン、リチャード・ビリンガム、コンスタンティン・ブランクーシ、ソフィ・カル、マルク・シャガール、チャン・エンツー(張恩慈)、ジョン・コンスタブル、サルヴァドール・ダリ、ゴウハル・ダシュティ、ジョルジョ・デ・キリコ、ジム・ダイン、トレイシー・エミン、ギムホンソック、ナン・ゴールディン、シルパ・グプタ、デミアン・ハースト、デヴィッド・ホックニー、アルフレド・ジャー、フリーダ・カーロ、メアリー・ケリー、ルネ・マグリット、ジョン・エヴァレット・ミレイ、ザネレ・ムホリ、ジャン=ミシェル・オトニエル、フランシス・ピカビア、オーギュスト・ロダン、榮榮&映里、デヴィッド・シュリグリー、ローリー・シモンズ、ワッソーX. ワッソーとR. ヴィジェイ、エンタン・ウィハルソ、ジャン・シャオガン(張暁剛)、荒木経惟、浅田政志、初音ミク、出光真子、草間彌生、森 淳一、村山留里子、西山美なコ、岡本太郎、オノ・ヨーコ、澤柳英行、TANY、梅沢和木、吉永マサユキ、ほか

全文提供:森美術館


会期:2013年4月26日(金)~2013年9月1日(日)
時間:10:00 - 22:00・(火)10:00 - 17:00(最終入館時間は閉館30分前まで)
会場:森美術館

最終更新 2013年 4月 26日
 

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