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靉嘔:ふたたび虹のかなたに
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2012年 12月 18日

 

様々な表現メディアを横断する前衛的な創作活動で知られる靉嘔(あいおう・1931〜)。1950年代に既存の権威主義や美術団体を批判して結成されたデモクラート美術家協会に参加し注目を集めた後、1958年に渡米し、ジョージ・マチューナスが主唱する前衛芸術運動フルクサスに参加しました。ニューヨークでの創作活動を通して靉嘔は様々な表現に挑戦します。美術家や音楽家、詩人といった異なるジャンルの表現者たちが交わる「イヴェント」と呼ばれるパフォーマンスへの参加や、希少性を排除して多くの人が手にすることの出来る「マルティプル」作品の制作、「エンヴァイラメント」と呼ばれる周囲の環境を取り込んだインスタレーションなどを次々と発表します。そして、線で描くことや構図を用いるという表現手法から脱却し、色相による表現に目覚めると、光のスペクトルの順にストライプで描く手法に取り組みました。絵画や版画、立体などの多様なメディアに虹色を重ねる作品を生み出し、「虹のアーティスト」として国際的に評価されるようになります。

本展は、代表的な虹のシリーズの作品をはじめ、観客が直に体験できるインスタレーション、世界各地で行ったパフォーマンスやイヴェントのドキュメントなどの展示を通して、これまでの活動の全容を辿るとともに、靉嘔の前衛精神を紹介します。

[作家プロフィール]
靉嘔(あいおう)

1931年茨城県生まれ。絵画や彫刻、立体などさまざまなモチーフを七色の虹のスペクトルで覆う作品などで知られるアーティスト。1964年、出品作家の一人として参加したヴェネチア・ビエンナーレで、「虹のアーティスト」として世界的な名声を得る。国内外で精力的に個展を開くとともに、世界各地の国際展にも相次いで参加。ユーモアあふれる実験精神と、鋭い文明批評を背景に、パフォーマンスやハプニングなどを含めた幅広い分野で独自の世界を展開している。


全文提供:広島市現代美術館
会期:2012年11月3日(土)~2013年1月14日(月)
時間:12:00 - 19:00
休日:日・祝 年末年始の休業日;12月23日ー1月6日
会場:広島市現代美術館
最終更新 2012年 11月 03日
 

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