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倉重迅:Hollow Point
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 6月 07日

「Tank and Potted Flower」撮影風景 | photo:Kyoko OZAWA | copyright(c) Jin KURASHIGE

約2年振りの東京での展覧会となりますが、その間シドニービエンナーレ「REVOLUTIONS- FORMS THAT TURN」、ソウルのGallery LOOPでの「Move On Asia 2009」に参加するなど国内外で活躍の場を広げています。 本展は、近年CMなどアートとは異なる環境の中で映像制作に携わる機会のある倉重が、アートという独特のフィールドに於ける映像表現の可能性を再考察したインスタレーション作品2点で構成されます。

「Tank and Potted Flower」ではスペース内に並べられた大量の何かのパーツ(実像)とモニターから流れる映像(虚像)から、鑑賞者各々の中にその場に存在しない立体作品の形成を試み、また90x90cmの箱庭で繰り広げられるサスペンスタッチの新作「The Cliff」でも、本展を通して作家が追求しようとする虚像と実像の交点を描き出します。

展覧会タイトルの「Hollow」とは空洞の、虚ろなという意味を持ち、本展で作家は「単一としては意味を持ち得ない虚像と実像がある危ういバランスで成立する交点」に着目しています。またホローポイント弾という、先端が凹んでいて貫通能力に乏しいが体内での破壊力がある銃弾にたとえ、鑑賞者が作品を前にした時、そのファーストインパクトだけではなく、その奥に存在する第2、第3の要素を体内で消化し、考察を深めて欲しいという作家の思いも込められています。

※全文提供: ミヅマアートギャラリー

最終更新 2009年 6月 12日
 

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