展覧会
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執筆: カロンズネット編集3
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公開日: 2012年 11月 29日 |
わたくしども山本現代では、来る2013年1月19日から2月16日まで、 福士朋子個展「Boarding」を開催いたしますので、ご案内申し上げます。 福士はマンガの「構造」や「文法」を積極的に取り入れ、日常生活においてメッセージを伝えるための道具であるホワイトボードに、コマ割や内語(口には出さ ずに考えている言葉)等のマンガの手法を用いた作品を制作し、独特の制作スタイルを展開しています。 今展では「ギャラリーを架空の空港に見立て、搭乗のための手続きから浮かび上がってくる内/外、安全/危険などの境界線や、個人のアイデンティティ、そし て搭乗前の高揚感と不安の混じり合った時間を表現する」というテーマのもとで、新作インスタレーションの展開に挑みます。
山 本 現 代
2012年11月
[作家コメント] 今回の展示では、ギャラリーを架空の空港に見立て、搭乗のための手続きから浮かび上がってくる内/外、安全/危険などの境界線や、個人のアイデンティティ、そして搭乗前の高揚感と不安の混じり合った時間を表現する。 「Boarding」の「Board」は船の甲板が語源だという。今回の展示で主な支持体として用いているホワイトボードの「Board」にも意味を持たせ、ホワイトボードが次の場所へと新たなイメージを運ぶための媒体になれば、と思っている。現在、マネックス証券株式会社の現代アート公募プログラム「ART IN THE OFFICE 2012」において展示中の作品「take off/landing」に連動しつつ、異なるテーマによるインスタレーションを展開する。 これまでの制作では、日常生活でメッセージを伝えるための道具であるホワイトボードに、マンガの形式や構造を用いて対義語の視覚化を行ってきた。ある事柄を二項対立の型にはめ込むことで発生する価値的な上下関係や抑圧構造が気になっている。また、それによって逆に本質が曖昧なまま置き去りにされると感じることがある。その一対は本当に相反するのか、なぜ対義語となっているのかという疑問から制作を始めている。また、歴史や記憶にも残らないような些細な経験や、一瞬頭の隅をよぎった意識、声にならない声などをあえて留めることも、テーマのひとつとして制作を行っている。 ホワイトボードは、職場や学校、家庭で誰もが見やすいところに設置され、メッセージを伝え共有するための、そしてメッセージを伝え終わったらすぐに消すことに適した支持体である。マグネットなども容易に付け外しが行える。そこには「固定されないペインティング」の可能性があり、ペインティングの物質性や歴史とも改めて向き合うことになる。 見慣れたものの前で一度立ち止まってみることによって、少しでも既成の制度や概念に揺さぶりをかけることにつながればと思っている。
福士朋子
[作家プロフィール] 福士 朋子 FUKUSHI Tomoko
1967 青森県生まれ 1990 女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻(油絵)卒業 1992 東京藝術大学大学院美術研究科 修士課程絵画専攻油画 修了 2000 ペンシルヴァニア・アカデミー・オブ・ザ・ファインアーツ大学院修士課程 修了 2005 東京藝術大学大学院美術研究科 博士後期課程美術専攻油画 修了 現在 女子美術大学 准教授
主な個展 1997 ギャラリー山口、東京 1998 INAXギャラリー、東京 2004 ギャラリーアートもりもと、東京 2005 藍画廊、東京 2005 『近くの現象学』art&river bank、東京 2007 『逗留者』ギャラリーアートもりもと、東京 2011 SICF12グランプリアーティスト福士朋子展『出口/入口』、スパイラルショウケース、東京
主なグループ展 1999 「VOCA展’99」、上野の森美術館、東京 2003 「DOMANI-明日展 2003」、損保ジャパン東郷青児美術館、東京 プロジェクト 2011 「ストリート・ペインティング・プロジェクト『見て見て☆見ないで』」 東京芸術劇場仮囲い壁面、東京(2012年3月まで) 主催:東京都、東京文化発信プロジェクト室、AIT 2012 「rooms24」 壁面アートワーク、科学技術館、東京 主催:H.P.FRANCE 2012 「ART IN THE OFFICE 2012」プレスルーム展示、マネックス証券株式会社、東京 (2013年5月まで(予定))主催:マネックス証券株式会社
受賞 2011年 SICF12グランプリ、主催:スパイラル 2012年 現代アート公募プログラム「ART IN THE OFFICE 2012」受賞アーティストに選出 主催:マネックス証券株式会社
グラント 1998-2000 文化庁芸術家在外研修(アメリカ)
オープニングレセプション:2013 年 1 月 19 日(土) 18:00 - 20:00
全文提供:山本現代
会期:2013年1月19日(土)~2013年2月16日(土) 時間:11:00~19:00 休日:日・月・祝 会場:山本現代
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最終更新 2013年 1月 19日 |