永瀬武志:super real |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2009年 6月 01日 |
永瀬武志の描くモチーフとなるものは、花や植物、緑溢れる公園や、人の顔、近づけば脈打つ音までも聞こえてきそうな命あるの。 この1年永瀬が取りかかってきた作品の、以前にも増した完成度の高さは、より有機的に表現しようとする本人の意識改革にあります。リアルな表現を目指しながらも、写真に写った現実だけではなく彼の理想を追求したドラマティックな仕上がりとなっています。 人の目に映った途端、対象物は主観的に捉えられます。誰一人として同じように対象物は見ていない。永瀬はその点に着目し、現実ありのままの対象物の姿ではなく、人の目を通した世界、「こうであってほしい」という理想をエッセンスとして加えて描くのです。 「快」をかみしめながら骨のある、しかも柔らかい絵をめざす 制作工程を一から見直し丹念にレイヤーを重ねる。特に今回は色調の「明るさ」を意識したという永瀬。エアブラシを使用して得るぼかしやグラデーション効果で色の層のハーモニーを奏でます。特に彼の描く“顔”は血管が浮いて見えそうなほど薄く繊細な皮膚を表現しています。アクリルを重ねていくことで奥行きのある透明感は生まれます。 本展では、今年6月に渋谷Bunkamura Galleryで開催する個展「real」にひきつづき、ideal=理想が詰まった「super real」な最新作を加えた構成となっています。 永瀬武志 / Takeshi NAGASE 略歴 個展 ※全文提供: YOKOI FINE ART |
最終更新 2009年 7月 17日 |