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Nobuyoshi ARAKI
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Published: August 03 2012

荒木経惟「三千空」より
ビデオ・インスタレーション
2012 年

ラットホールギャラリーは 2012 年 8 月 24 日(金)より 10 月 7 日(日)まで、荒木経惟展「センチメンタルな空」を開催いたします。本展では、3000 枚の空の写真で構成された映像作品「三千空(さんぜんくう)」の上映に加え、自宅のバルコニーを30 年近くにわたって記録した「愛のバルコニー」シリーズからの写真作品を展示いたします。

1990 年に愛妻ヨーコが亡くなって以降、空の写真を撮影することが日課となった荒木にとって、空とは自分の心を映す鏡でもあります。空の表情の変化は、淡々と過ぎてゆく日常、そして人生の似姿でもある、私的なものだ、と荒木は話します。荒木にとって写真そのものが私小説であるように、空の写真は他の誰のものでもない「自分の空」、つまり「私空(しくう)」なのです。
映像作品「三千空」では、自宅バルコニーから撮影された 3000 枚の空がモンタージュされ、4 時間にわたって大型スクリーンに投影されます。雲一つない青空、絡み合う飛行機雲、暮れゆく夕空など、表情豊かな空が観る者を包み込み、電柱や電線、家々の屋根、木々もまた、荒木の「空」から切り離せない存在として表情の一部をなしています。また、ノスタルジー漂う空は、ヨーコや愛猫チロの遺影とも言えるでしょう。
このほかに、さまざまな愛を刻んできた自宅バルコニーを 1983 年から 2011 年まで記録した「愛のバルコニー」の写真作品を約 40 点、そしてヨーコを描いたシルクスクリーン作品を 3 点、展示いたします。
これまでも数々の作品に登場し、荒木にとって特別な場所であったバルコニーのある自宅を、昨年去ることになりました。ヨーコとの最後の日々を記録した写真集『センチメンタルな旅 冬の旅』(1991 年)、そしてチロとの別れを綴った写真集『センチメンタルな旅 春の旅』(2010 年)に続いて、本展「センチメンタルな空」でもまた、ひとつの愛の物語の幕が描かれています。


全文提供:RAT HOLE GALLERY
会期:2012.8.24~2012.10.7
時間:12:00 - 20:00
休日:Mon
会場:RAT HOLE GALLERY
Last Updated on August 24 2012
 

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