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有賀慎吾:Slime mold Process
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2012年 7月 27日

画像提供:island MEDIUM

seamy surface
variable size
mixed media
2011

盛夏の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。 このたびisland MEDIUMでは、有賀慎吾個展『Slime mold Process』を開催致します。 是非、ご高覧頂けたら幸いです。

[作家コメント]
迷路を解く粘菌 (Slime mold または Slime mould)をご存知の方は多いでしょう。あの実験は、モジホコリ(Physarum polycephalum)という種類の変形菌(粘菌)が「変形体」と呼ばれるスライム状態のときに、摂食のための移動プロセスを利用して迷路を解かせたものです。モジホコリには、餌と餌を最短距離でつなぐ形に変形する性質があります。いま餌がある古い場所から、次の餌がある新しい場所をいきなり最短距離で結ぶのではなく、まずは全方位的、あるいは扇状にゆっくりと二次元的に拡がっていきます。その先端のどれかが偶然そこにあった餌に触れると、餌に辿り着かなかった部分は、餌に辿り着いた部分を強化するように次第に収縮し、最終的に餌と餌を最短距離でつなぎます。
私はこのモジホコリの性質を " Slime mold Process " と呼ぶことにし、私自身とアートワークにモデルとして適応したいと考えています。モジホコリは、一時的にですがより効率的なネットワークを自らの身体そのものによって形成します。重要なのは、いきなり効率化に向かうのではなく、その前段階として不確実性を抱え込んだプロセスがあるということです。さらに、一度効率的なネットワークが形成されたとしても、餌が尽きるか古くなると、次の餌を得るために再度自らを不確実性へと晒さなければならない点も、なかなか示唆的なんじゃないかと考えています。

[作家プロフィール]
有賀 慎吾 Shingo Aruga

1983 長野県生まれ
2009 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
2011 現在東京芸術大学美術研究科絵画専攻修了
2007 〈ワタラセアートプロジェクト 2007〉渡良瀬渓谷鉄道(群馬)
2008 〈蚯蚓考- MIMIZUKO -〉3番GALLERY(東京)
2009 〈武蔵野美術大学造形学部卒業制作優秀作品展〉武蔵野美術大学(東京)
〈サイボーグの夢〉Art Trace Gallery(東京)
〈接続解除〉Art Center Ongoing(東京)
〈サスティナブルアートプロジェクト 2009 閾-THRESHORD EXIBITION〉旧坂本小学校(東京)
〈Sticky Sloppy Lumpy〉TURNER GALLRY(東京)
2010 〈5th Dimension (Art Center Ongoing presents) 〉NO MAN\'S LAND 旧フランス大使館(東京)
〈The Yellow Show〉Art Center Ongoing(東京)
〈NEO NEW WAVE〉 island(柏、千葉)
2011 〈1枚の絵の力〉3331Arts Chiyoda(東京)
2012 〈バミューダ・トライアングル〉シャトー2F(東京)
〈Sense of Black & Yellow〉Art Center Ongoing(東京)

オープニングレセプション : 2012年8月3日(金) 18:00-

Shingo Aruga hp

全文提供:island MEDIUM
会期:2012年8月3日(金)~2012年8月26日(日)
時間:12:00-19:00
休日:月・火
会場:island MEDIUM
最終更新 2012年 8月 03日
 

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