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秋山祐徳太子:ラッキー7
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2012年 7月 22日

画像提供: AISHO MIURA ARTS

秋山祐徳太子の個展。都知事選の政見放送をパロディーにした映像作品を中心に、製作を続けるブリキ彫刻などを展示。

http://www.aishomiura.com/lucky7.html


会期:2012年7月7日(土)~2012年8月5日(日)
時間:12:00-19:00 (-18:00 日曜日)
休日:月曜日
会場:アイショウミウラアーツ

最終更新 2012年 7月 07日
 

編集部ノート    執筆:田中みずき


画像提供: AISHO MIURA ARTS

「ブリキ彫刻」というキッチュな彫刻を生み出し続け、70年代には「政治のポップアート化」を目指して都知事選に2度も出馬した秋山祐徳太子による個展である。

選挙への出馬というと、思想的な活動家か目立ちたがりやか、などと思われてしまうかも知れない。しかし、作家の言動や著作からは、同じ素材でずっと作品を生み続ける真摯さと、状況や出会った人との縁に乗じて、恥ずかしがりながらも面白いことをやるという粋な性格が窺われ、いやらしさが無い作家の姿が見えてくる。そんな作家による個展なのだ。

本展は、ブリキ彫刻と、選挙活動関連の作品とで構成されている。長年、男爵像をモチーフにしてきたブリキ彫刻シリーズでは、今回、新たに招き猫を制作。招き猫のカラッとした存在感は、媚びない可愛らしさとともに親しみがわく風情を醸し出し、粋なポップを体現している。本展では、新作だけでなく、1988年の男爵像モチーフの《遠方の皇帝》から、新作の《ブリキ招き猫》まで、ブリキ彫刻の遍歴も見られる展示となっていて興味深い。

また、1979年の二度目の都知事選時のポスターとともに、政見放送を模した新作の映像作品《元東京都知事候補 秋山祐徳太子》も発表。少し酔った作家本人が、時に歌い、時に今について語っている様子は、可笑しみとともに、作家の人生の含蓄をも感じさせる。長年作品を作り続けてきた作家の、愛すべき展覧会だ。


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