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小作青史・磯見輝夫:明日の過去に見る不変の真理
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 5月 14日

小作青史≪真中に立つ子供:A≫1973年 リトグラフ、62X84cm copy right(c) Seishi Ozaku

磯見輝夫≪生々≫1980年 木版画、142X71 copy right(c) Teruo Isomi

現代日本を代表する重鎮的存在である二人の版画家による展覧会。小作青史氏は長らく多摩美術大学の学部教授として後進の教育にあたりながらも数々の国際コンクールで受賞を重ね、日本の美術界をリードしてきた。また磯見輝夫氏も数々の国際コンクールで受賞を重ね、愛知県立芸術大学で教鞭に立ち、現在は同大学の学長として活躍している。
小作青史氏は一貫して人の象徴的形象を描くことで人間や社会、歴史の中における様々な行為を感情表現によって、磯見輝夫氏は、木々や花々そこに静かに佇む人々を描くことで、自然と人々との共生を特に日本人が古代から持ち続ける宇宙観によって、物事の真理を問い続けているのだと思う。 今回の二人展を開催するにあたり、以下のような文章を画廊企画者として寄せた。

いつの日かアートは軽やかで洗練され、いやしを求め始めた。若い芸術家たちのあたらしい感覚という名のもとに・・・。重く、熱く、不器用なまでにがむしゃらな、時に「過去」と言う言葉で表現される熟練の芸術家たちのアートは、本当に昨日の「過去」なのだろうか・・・。ある今日を象徴する個展を観た後に観たこの二人の展覧会に、不変の真理を見つけたような気がした。

画廊主 梅津宏規

小作青史
1936東京生まれ/‘60 東京芸術大学油絵科卒業/’65 第33回日本版画協会・山本鼎賞/‘65 クラコウ国際版画ビエンナーレ・ブロラッフ美術館賞/’74 フィレンツェ国際版画ビエンナーレエミリア・ロマニヤ県知事賞/’79 文化庁在外研修員(フランス・ドイツ)/’06 多摩美術大学美術学部教授退官記念展/‘08  ブラック&ホワイト 磯見輝夫・小作青史(東京オペラシティー)

磯見輝夫
1941 鎌倉生まれ/‘73 東京芸術大学大学院版画研究室修了/’79 第42回日本版画協会賞/第10回日動版画ブランプリ優秀賞/‘89 NIONDE GRAFIK TRIENNALEN(スウェーデン)/’03 山口源大賞/’06 磯見輝夫退官記念展(愛知芸大芸術資料館)/‘07 愛知県立芸術大学学長就任/’08 名古屋市芸術賞特賞/ブラック&ホワイト 磯見輝夫・小作青史(東京オペラシティー)

※全文提供: 画廊翠巒

最終更新 2009年 5月 16日
 

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