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このたび、キドプレスでは2009年につづき2度目となる宇田川愛の個展を開催いたします。
淡く染められた生地に描かれた世界の向こう側が透けて観えることは、作家の感性が現実世界と常に密接に関わっていることをあらわしています。
その淡いやわらかいイメージを時に切り裂くように描かれる、氷のような白い色面や硬く冷たい樹木のイメージは、作者の強固な意志による、世界観や生命観の表現となっています。
それは時に、厳冬の雪山に分け入る小道の様でもあり、凍てつく荒野に立つ樹木のイメージには厳寒のなかでのかすかな命を育む生命のあたたかさを感じさせるのです。 クールな印象の中に息づく美しさは、命のぬくもりを感じさせてくれます。
いつか観たことのある風景なのか、あるいは、いつか観てみたい風景なのか、作品の中に表現される世界は、私たち一人一人が日々の生活の中でともすれば忘れがちな生命の育みそのものの記録ではないでしょうか。
宇田川愛の表現しようとしている精神世界を存分にご堪能ください。
[作家コメント] どこまでも続く小道や川、霧などによって隔てられた二つの世界を描いています。 自然を前に、なす術もなく立ち尽くした時に見える景色は強く厳しく圧倒的です。 時折、鳥や舟に姿を変えて、何者かが両世界を渡してくれることもあり、分断される二つの世界は接点を持って存在しています。 確かめることができないけれど、確かに在るものや、事がらを意識することから制作が始まります。 今回、タイトルを「sign」名付けたのは、そういった目には見えない予兆や気配といったものを、作品に込めて描いたことからです。
[作家プロフィール] 宇田川 愛/Ai Udagawa
1979年 東京生まれ 1999-2003年 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻 2003-2004年 東京芸術大学大学院版画研究科 2005-2008年 国立カールスルーエ芸術大学絵画科
主な活動・展覧会歴 2011年 個展、三日月座、東京 2010年 「テイスティングアート2010」阪急デパート、大阪 2009年 「X’mas Exhibition」 KIDO Press, Inc. 「developing Utopia」個展、KIDO Press,Inc.、東京 「Art@Agnes2009」(KIDO Press)、アグネスホテル、東京 2008年 個展、ミュハラウム、カールスルーエ、ドイツ 「Poly Summertime 2008」、Poly Galerie、カールスルーエ、ドイツ 2007年 「middltec」、カールスルーエ芸術大学構内、ドイツ 「日本美術家連盟2007年新人奨励展」、銀座JAAギャラリー 「2007 Summer Exhibition」、カールスルーエ芸術大学構内、ドイツ グループ展フォーエバー現代美術館ギャラリー、秋田 2006年 「2006 Summer Exhibition」、カールスルーエ美術大学構内、ドイツ 2005年 「第4回年高知国際版画トリエンナーレ」、いの町紙の博物館 「JUSTIZIA」、Prof. Dr. W. ホフマン氏邸宅(カールスルーエ)、ドイツ 2003年 「器楽」、青山PROJECTGALLERY PROMO-ARTE 「版画集展」、東京芸術大学内 「第28回全国大学版画展出展」、町田市立国際版画美術館
オープニングレセプション: 2月25日(土)18:00 ~ 20:00
全文提供:キドプレス
会期:2012年2月25日(土)~2012年3月31日(土) 時間:12:00~19:00 休日:日・月・祝日 会場:キドプレス
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