ユン・ソンホは、枯山水と都市空間を同一空間に表現している。

宗教的世界観を表現する枯山水と、人々の生活の場である都市空間とでは、一見大きな差があると思えるが、それはあくまで思想的価値における比較にすぎない。視点を換えて見ると、両者は人のために造られた人工物であるという点で、さして差のないものであると気づかされる。そして、限られた空間にモチーフを配置した枯山水も、規則正しく建ち並ぶビルの集合体も、それぞれに美しく見える。

思想、宗教、文化、資本、権力など、様々な価値観の中で絶対的なものなど無いはずである。しかし、わたしたちは偏った価値観によって、本来同等であるはずのものに優劣をつけてしまうことがある。

ユンの作品では、そんな先入観を取り払い、物事の根本的な平等と、性格の異なるもの同士の調和が表現されている。

枯山水と都市空間―、両者をそれぞれに美しいと感じるユンの感性で表現された空間に、どうぞ足を踏み入れてください。

全文提供：Gallery Ort Project

会期：2012年2月1日（水）～2012年2月6日（月）
時間：12:00-20:00
会場：Gallery Ort Project