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糸川祥子展:50s-まとわりを脱ぐ-
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 10月 14日

Copyright© Port Gallery T
画像提供:Port Gallery T

作家 statement
私はこの作品を作るにあたって、まず同世代の女性に観てほしいと思っていた。写真展のとき、観にきてくださった大半の女性の第一声は「え、これ貴女?ヌードになるなんて、勇気あるねぇ・・・」だった。その後に続く言葉は様々であったが、『50代の女性の体』について関心を持って観て頂けたように思う。この「勇気あるねぇ・・・」という言葉にどう対応したらいいのか、私はいつも迷い混乱する。

勇気があるのか、ないのか分からないが、抵抗なくヌードになった訳ではなく、ましてや平気だった訳でもない。羞恥心や不安、葛藤もあったけれど、それより撮りたいという気持ちの方が大きかった。「オバハンのヌードなんか金もろても見たないわ」何気なく発せられた一言をキッカケに作品を作り、被写体となることで私は幾つかの発見をした。

私のこれまでの50数年、確かとは言わないまでも、自分なりに選択した道を歩いてきた。平均寿命86歳と言われる昨今、残り時間が少なくなってきた道を振り返れば、失敗も後悔も数え切れないほどあるけれど、それなりに納得している。体はそんな『私』を記した履歴書、積み重ねた時間の証、だから愛おしい、だから大切に思う。

糸川祥子自らが発行した写真集「50s -まとわりを脱ぐ-」の発行を記念した展覧会。写真には、糸川自身が「まとわりを脱ぐ」ことで、自分自身という生身の人間と、鏡に映る虚像とが写っている。自らを視線にさらしながら、裸身は「見られるもの」という、他者の一方向の視線に固定された概念を揺るがすエネルギーが立ち上る。

糸川は「各々の中にある原点、源となるものを探る」ことをベースに名付けられた写真表現グループ『GENTEN』のメンバーとしても活動を継続。写真集の発行につづく本展で、まずは写真に向き合っていただけましたらと思います。ご来廊お待ちしております。

糸川祥子(Akiko Itokawa)
1949年 大阪に生まれる
1995~1997年 ウーマンズスクール(江坂・大阪)において写真表現を畑祥雄(写真家・関西学院大学総合政策学部メディア情報学科教授)から学ぶ。
1998年〜 The Third Gallery Aya 綾智佳より指導を受けている。
<個展>
1997  「ガラスの鎖-私をつなぎとめていたもの-」(The Third Gallery Aya/ 大阪)
「ガラスの鎖-私をつなぎとめていたもの-」(城南市民センター,福岡)
2004 「50s-まとわりを脱ぐ-」(Early Gallery / 大阪)
2005 「50s-まとわりを脱ぐ-」(彩都メディア図書館エキシビジョンウォール/ 大阪)
<グループ展>
2000 「GENTEN-それぞれのかけら-」(The Third Gallery Aya / 大阪)
2008 「GENTEN-それぞれの軌跡-」(信濃橋画廊 / 大阪)
2009 「another」id gallery(京都)

※全文提供: Port Gallery T


会期: 2011年10月31日(月)〜2011年11月5日(土)(*最終日17:00まで/日休み)
※11/3(木・祝)は、ご招待の方々をお招きした出版記念会のため、通常の開廊はしておりません。予めご了承ください
会場: Port Gallery T

最終更新 2011年 10月 31日
 

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