アヌ・トゥオミネン:ブルー |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 9月 17日 |
アヌ・トゥオミネンは、台所用品や文具など身近な道具や素材を取り上げ、これらに編む、切る、並べるといったシンプルな手法で加工を施すことにより作品作りを行なっています。ビーズのように短く削った鉛筆を連ねてネックレスとしたり、使い古された手袋を互いに縫い合わせて器や小動物に変身させたりと、手芸的な要素を多分に含む彼女の作品には、コンセプチュアルな発想を起点としながらも、どこか温もりが感じられ、しばしば思わず吹き出さずにはいられないようなユーモアが隠されています。物それぞれがもつ形態や機能、素材の性質や色合いなどを仔細に観察、分析し、新たな解釈を与えて、元のままでありながら「別のもの」として再生するトゥオミネンの作品は、まるで連想ゲームのように観る者にも限りないイマジネーションの連鎖を呼び起こすのです。 Art-U roomでの4回目の個展となる本展では、色彩の「青」を示すと同時に「憂い」や「哀しみ」といった感情を表す言葉である「ブルー」をテーマに、青にまつわる作品を展示致します。紙に残された青いインクの痕跡。青い糸で編まれた水玉模様。これらの作品は、常に言葉や形を成す一歩手前にありながら、イメージが立ち上がると同時に果てしない空の青みへと吸い込まれていくような詩的な霊 感を秘めているかのようです。是非ご高覧ください。 ■本展の開催に併せ、アヌ・トゥオミネンの新しい作品集「Naturally!」を刊行致します。この作品集は、フィンランドにおけるトゥオミネンの創作活動を、それを取り巻く日常風景と共に紹介したもので、この本を通して彼女の作品への更なる理解と親しみが深まるものと思います。 全文提供: Art-U room 会期: 2011年9月22日(木)~2011年10月30日(日) |
最終更新 2011年 9月 22日 |