編集部ノート
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執筆: 平田 剛志
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公開日: 2011年 9月 15日 |
ギャラリーに入ると「おみやげ」がぐるりと並ぶ。おみやげと言っても、八つ橋や阿闍梨餅ではない。本展の「おみやげ」とは、アート作品からファッション・アクセサリー、デザイン・プロダクトまで、京都で制作活動をするアーティストやデザイナーによる作品である。 さまざまな作品やグッズが並ぶが、中でもPULL+PUSH PRODUCTSによる建材に使われるモルタルを素材に使ったプロダクトシリーズ『MORTAR(モルタル)』は、プランター、香炉、灰皿、コースターなど、風化する素材感を生かしたデザインが楽しい。また、ポリ袋(ポリエチレンフィルム)を素材とした『PE(ペ)』は、ポリ袋に熱を加え、積層、溶着を何度も繰り返してバッグやカードケースへと姿を変えたプロダクトシリーズだ。熱による縮み、プラスチックならではの光沢感や色合いなど、独特な質感は実際に見て触って体験してほしい1品だ。 アートやデザインは、世界共通のものであることは間違いない。だが、大量生産ではないアートやデザインブランドは、1つ1つ手作りで、中には1点しか作れないものもある。そのため、特定の場所でしか手に入れられないものが多い。有名なおみやげ品や和菓子・スイーツは全国の百貨店でも購入できるが、アートは全国販売できない数少ない「おみやげ」なのである。 普段のギャラリー展示とは異なり、セレクトショップのような店内でお気に入りの「おみやげ」を見つけてはどうだろうか。
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最終更新 2011年 9月 18日 |