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桑田卓郎 展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 8月 16日

画像提供:TKGセラミックス | Copyright© Takuro Kuwata

作品紹介
桑田卓郎の作品がまずわたしたちを強く引きつけるのは、その一見すると陶芸作品とは信じがたい鮮やかな色彩です。「素材の特徴を生かした、明るく楽しいものを作りたいと思っています」。このシンプルな桑田の言葉通り、彼の作品は親しみやすく、日常に楽しい彩りを加えてくれます。それでいて、厚めにかけられた長石釉(志野釉)の「かいらぎ(焼成した時にできる釉薬のひび割れ)」がところどころはがれ落ちている、独特の釉薬表現の茶碗シリーズ等は、力強い緊張感でこちらに迫ってくるようです。

一方斬新な配色と繊細な白磁の洗練されたフォルムのシリーズは、プロダクトデザインの要素と、そこで失われがちな手仕事の素材感を兼ね備えているのが特徴。また2010年の小山登美夫ギャラリーでの個展では、うつわから離れてオブジェに近づいた大胆な作品を展示。その生々しいほどの質感、ユーモア、強烈なインパクトで鑑賞者を圧倒しました。最近は海外での評価もどんどん高まってきています。卓越した技術の裏付け、豊かな陶芸の歴史。それを十分に身につけた桑田の、鋭敏でありながら素朴でもある現代の感性が、冒険の度にどのような陶芸表現を見せてくれるのか、目が離せません。

展覧会について
「芬芬(ふんぷん)=草花、雑草などの良いにおいがするさま」、「明るく楽しい作品」は、常に変わらない桑田の基本のテーマです。これをもとに、上述のオブジェに近づいた作品の新作を展示いたします。上記の「かいらぎ」の作品、また磁土に石を混ぜて焼く「石はぜ」を中心に、遊び心のあるうつわとオブジェで展覧会を構成。「今は色々なものをつくりたい」と制作へのエネルギーがさらに高まっている、桑田の新作を是非ご高覧ください。

作家プロフィール
桑田卓郎は1981年、広島県生まれ。2001年に京都嵯峨芸術大学短期大学部 美術科陶芸コースを卒業、2002年に陶芸家 財満進氏に師事、2007年に多治見市陶磁器意匠研究所を修了しました。現在は岐阜県土岐市に工房を構えて制作しています。

朝日現代クラフト展(06〜09年)、朝日陶芸展(07,08年)、出光トリエンナーレ(06年)、織部デザインクラフト展(07年)、国際陶磁器展美濃(08年)、たち吉クラフトコンペ(04年)、テーブルウェア フェスティバル(06〜09年)、ながさき陶磁展(06年)、日本クラフト展(06年)、益子陶芸展(04, 06, 08年)、四日市万古焼綜合コンペ(06年)などで数多くの賞を受賞。2009年には第17回テーブルウェアフェスティバルにてテーブルウェア大賞、経済産業大臣賞を受賞しました。黒田陶苑(08, 09, 10年、東京)など、各地で個展を多数開催。

また6月23日から8月12日までニューヨークのSalon94にて開催された、グループ展「Paul Clay」に参加しました。小山登美夫ギャラリーでは2009年、2010年に続き3度目の個展になります。

全文提供: TKGセラミックス


会期: 2011年10月1日(土)-2011年11月5日(土)
会場: TKGセラミックス
オープニングレセプション: 2011年10月1日(土)18:00 - 20:00
アーティスト・トーク: 2011年10月1日(土)17:00 -

最終更新 2011年 10月 01日
 

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