編集部ノート
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執筆: 平田 剛志
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公開日: 2011年 8月 13日 |
ニューヨーク在住の藤岡による2年ぶりの個展。今展では新作「Life Studies」と20年前に制作された未発表作「アヤ子江古田気分」の2シリーズが壁面を隔てて展示されている。 注目すべきは20年間未発表だった《アヤ子江古田気分》だろう。藤岡が学生時代に過ごした東京・江古田のアパートを中心に撮影された室内や江古田の街の写真からは、濃密に当時の雰囲気や街の空気感が漂い、こちらまで江古田の古いアパートにいたような気になってくる。また、大家であるおばあさんとのエピソードなどが綴られたテキストは、小説のような読後感があり、味わい深い。人の存在、気配が印象に残る作品だ。 なお、タイトルは、安部眞一の漫画を原作とした映画『美代子阿佐ヶ谷気分』(2010年)から付けられている。
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最終更新 2011年 8月 11日 |