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「具体」を代表する女性アーティスト、田中敦子の個展が英国・スペイン巡回、来年日本にて開催
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執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 7月 08日

《電気服》 1956年(1986年に再制作)
画像提要: 国際交流基金

7月27日より、英国・バーミンガムのアイコンギャラリーにおいて、戦後日本の前衛美術グループ「具体」を代表する女性アーティスト、田中敦子(1932-2005年)の欧州における9年ぶりの個展「田中敦子―アート・オブ・コネクティング」が開催される。

今回の展覧会では、音が展示空間を走る《作品(ベル)》(1955年)や、約200個の電球が点滅する《電気服》(1956年)を舞台に登場させ、自らもパフォーマンスを行うなど、造形とパフォーマンスを結びつけたパイオニアとしての50年におよぶ活動を、絵画やコラージュ、記録映像など作品約100点を通して紹介する。

本企画の発案者は、2001年にロンドン・ヘイワード・ギャラリーで開催された日本現代美術展「ファクツ・オブ・ライフ展」のゲスト・キュレーターであり、日本美術に詳しい英国バーミンガム、アイコンギャラリーのディレクター、ジョナサン・ワトキンス氏。1998年にはシドニー・ビエンナーレでアーティスティックディレクターを務め、ヴェネチア・ビエンナーレや、テート美術館でも企画展示を手がけている。本展覧会は同氏と3名の専門家から成る日本側実行委員により企画・構成された大規模な個展となる。

英国・アイコンギャラリーでの展示を皮切りに、スペイン・カステジョン現代美術センターを巟回し、2012年東京都現代美術館において展覧会の開催が予定されている。

【田中敦子 プロフィール】
1932年、大阪に生まれ。1951年、京都市立美術大学を中退の後、大阪市立美術館付設美術研究所に学ぶ。同研究所に通っていた金山明の助言で抽象絵画に興味を持つようになり、1954年頃に数字をモティーフにした作品を手掛ける。同時期、金山が中心メンバーの一人であった、先鋭な美術を目指す若手作家のグループ・0会に参加し、同会の白髪一雄や村上三郎らと積極的な相互研鑽を図る。1955年に金山、白髪、村上と共に、吉原治良がリーダーを務める具体美術協会(略称:具体)に加入。次々と衣装を着替えてゆくパフォーマンスなど斬新な作品を立て続けに発表し、1957年頃から、電球とコードの絡まりに着想を得た絵画を制作し始める。その作品が、1957年に来日したフランスの批評家ミシェル・タピエの目にとまり、具体の中で「国際的にもっとも確固たる作家群と対比並列すべき」メンバーの一人として高い評価を得る。1965年に具体を退会した後も、精力的に制作活動に取り組み、2004年まで定期的に個展を開催。具体再評価の動きが本格化した1980年代以後は、戦後美術をテーマに据えた国内外の大規模な展覧会や、具体を包括的に検証した展覧会で、常に主要な出品作家の一人として紹介される。2005年3月の交通事故が元で同年12月に急逝。

最終更新 2011年 7月 08日
 

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