編集部ノート
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執筆: 平田 剛志
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公開日: 2011年 7月 06日 |
絵画、彫刻、ミクストメディアなどの作品を制作する6作家によるギャラリー開廊25周年記念のグループ展。 6人それぞれの思索・視線(A VIEW)を見ることができるが、なかでも本田顕子の作品は、物事の視点を少しずらしたり、変えることで見えてくる新たな「VIEW」を提示している。例えば、大小の異なる定規のスケールを重ね合わせる『小を大にかねてみる』、北を上にして右に左京区、左に右京区がある京都の地図を反転させた『模範解答』、磁石のNとNをセロハンテープでつなぎ合わせた『反面教師』などの作品は、物事の固定観念をしなやかに解きほぐす思考と実践のエクササイズだ。 香川裕樹の立体・写真作品は日用品や見慣れたものを使いながら「とらえどころのないもの」、見慣れないものを創り出す。例えば、綿と石が組み合わされた『cotton stone』などは、柔と硬の不可思議な組み合わせが非現実的ながら、リアルな物質として世界の神秘を開示する。 若手作家たちの作品を通して、以前とは世界や物事の見え方が少しだけ変わって見える展覧会だ。
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最終更新 2011年 7月 08日 |