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トゥン・ウィン・アウン&ワー・ヌ:幾つかの(白い)作品
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 6月 29日

《White Piece》漫画の切り抜きの上に白いアクリル絵具 | 画像提供:Art-U room | Copyright© Tun Win Aung & Wah Nu

共に1970年代生まれのトゥン・ウィン・アウンとワー・ヌは、映像やインスタレーションといった新しいメディアに意欲的に取り組み、美術表現の可能性を広げてきました。90 年代よりパフォーマンスや野外でのインスタレーションに取り組んできたトゥン・ウィン・アウンは、一方で、同世代のアーティストを紹介する展覧会のキュレーションも手掛けており、ミャンマーではまだ一般に馴染みの少ない現代美術の普及に努めています。また、過去にArt-U room にて二度の個展を開催したことのあるワー・ヌは、ポップ・アートの影響を受けたペインティングの他、白日夢の様な独自の時空間を有する映像作品を発表し国際的な評価を集めています。私生活においてもパートナー関係にある二人は、普段互いの創作活動をサポートし合うだけでなく、時に共同での作品制作も行なっており、2009−2010 年オーストラリアのクイーンズランド・アート・ギャラリーで開催された「第6回アジア太平洋トリエンナーレ」では、連名で空想上の展覧会プランをマケット化したインスタレーションを発表しています。

この度の展覧会「幾つかの(白い)作品」は、二人が2009年に開始した「千個の(白い)作品」の序章を飾るものであり、彼らがこれまで生きてきた三十余年の生涯の中で、特に思い出深い千個の事物を集めアーカイブ化することにより自らのアイデンティティーの根源を浮き彫りにしようというプロジェクトです。今回の展覧会では、彼らが子供の頃に親しんだ漫画のヒーローや玩具、彼らに教訓を与え人生を導いてきた物語や出来事、更には彼らの友人や娘が描いた素描など、様々な記憶の断片が集められており、これらの事物は記憶の中であらゆるものが少しずつ風化して行くのと同様に、白い絵具のレイヤーで部分的に隠されたり塗り潰されたりしています。あたかも降りしきる雪に埋もれる風景の様に、次第にホワイトアウトしていく世界の中で、果たして我々はどんな事実を見いだすのでしょうか?是非ご高覧ください。

■ トゥン・ウィン・アウン(Tun Win Aung)
1975年ミャンマー, ヤルット生まれ。1998年ヤンゴン文化大学卒(彫刻専攻)。主な展覧会歴:2011年「Video, An Art, A History 1965-2010」シンガポール美術館 /2010年「plAy」 Osage、シンガポール / 2009年「ミャンマー現代美術展」 バート・アイブリング美術館、ドイツ、「HiSTORY」アリアンス・フランセーズ、ヤンゴン/2002年「第2 回福岡アジア美術トリエンナーレ」福岡アジア美術館

■ ワー・ヌ(Wah Nu)
1977年ミャンマー, ヤンゴン生まれ。1998年ヤンゴン文化大学卒(音楽専攻)。主な展覧会歴:2011年「Video, An Art, A History 1965-2010」シンガポール美術館 /2010年「plAy」 Osage、シンガポール / 2009年「ミャンマー現代美術展」 バート・アイブリング美術館 / 2008年「日の出」Art-U room、東京/ 2005年「Self-Identity」Art-U room、東京、「第3回福岡アジア美術トリエンナーレ」福岡アジア美術館 / 2004年「アジアアートビエンナーレ」ダッカ、バングラデッシュ

全文提供: Art-U room


会期: 2011年8月3日(水)-2011年8月28日(日)※8月15~22日休廊
会場: Art-U room

最終更新 2011年 8月 03日
 

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