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太田篤 展
編集部ノート
執筆: 田中 みずき   
公開日: 2011年 6月 08日

《Proximate-Area Ⅲ-No.4》2010年|162.0×130.3 cm acrylic on canvas|Copyright© Atsushi Ota

展覧会場には、両手を広げた位の大きさの絵が6点と、手のひらを並べたような小さな絵3枚。ぼんやりと観ていると、どの作品も、白い地の画面に黄色やオレンジ、赤褐色で、動きを表すようにゆがんだ正方形や長方形が描かれている。

近付いて観ると、白や黄色やオレンジや赤褐色の色の隙間から、緑や水色がちらりと覗き、下に寒色が塗られていたことに気がつく。

なにやら、眼の前の平面に、奥行きがあったことに気がつかされる。平たい四角だと思っていたものが、おどけて動いてくれたお陰で奥に隠されていた重なりが見えてくる。その重なりの隙間には指さえ挟みこめないだろうけれど、確かにあるのだ。平面を鏡面にして、どこまでも深く世界が広がっていく。

最終更新 2015年 11月 02日
 

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