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西村伊央:symphonic photograph
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 6月 02日

PHOTO:『astral』2011年 | W4000 × H3600 × D1200mm | インクジェットプリント 546枚 | 画像提供:INAXギャラリー | Copyright© Io Nishimura

西村伊央の作品は、写真を用いた空間インスタレーションです。作品は最初、壁いっぱいに小さなモニターが並び、赤、緑、青、黄色の光の輪が重なり合い、暗闇に発光して渦巻いているように見えますが、近づいていくと、モニターではなく印画紙の写真が細いグリッドに沿って貼られていることがわかります。何千何万枚と撮った写真から構成した、およそ6百枚の異なる色彩がひとつの交響曲のように響きあい、その奥から光が放たれて身体中に滲んでいくようです。

西村は幼少時よりピアノや管楽器を学び、高校ではオーケストラでバイオリンを演奏していました。好きだった美術と音楽の間で迷い、美術を選んだとき、音楽を聴覚以外で感じていくことを考えました。カメラのシャッターを切りながら光を捉えてゆくスピード感と、バイオリンの演奏感覚の相似に気づき、光を集めて音楽を奏でていくことができるのではないか、さらに視覚や聴覚以上に、人間の感覚全てを使って体感することを望み、写真を使って現在の作品を制作するようになりました。

天を仰ぎ見る祈りや、人知を越えた荘厳さに対峙する思い、光そのものの実在から内在へ向かいながら、光を浴びるように、清らかな美しい世界の向こう側へ超えていく意思と希望を感じる作品です。 今展では、幅13メートルに高さ2.3メートルの大きさの新作を会場に構成する予定です。空間に併せて自在に変化し、空や海のゆらめきのように、いくつもの重なり流れていく音色を奏でる西村伊央の作品をぜひ会場でご覧ください。

西村伊央
1984年 東京都生まれ
2007年 多摩美術大学美術学部情報デザイン学科情報芸術コース 卒業
2011年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻 修了

展覧会
2007年
多摩美術大学美術学部情報デザイン学科情報芸術コース2006年度卒業制作展 NO MAP/BankART Studio NYK(横浜)
個展 inner blue/Pepper's Gallery(銀座)

2008年
第13回学生CGコンテスト受賞作品展/国立新美術館(六本木)
JAPANESE YOUNG ARTISTS'BOOKS FAIR_2nd video exhibition/MONSTER ISLAND (Brooklyn, NY)

2009年
TAMA VIVANT II 2009 うさぎ穴はふさがれた/多摩美術大学(八王子)みなとみらい線みなとみらい駅地下3階コンコース(横浜)

2010年
Color pieces カラー・ピース 鮮やかな色のかけらたち/とりでアートコンシェルジュ(取手)
東京藝術大学美術学部先端芸術表現科鈴木理策研究室展覧会 私にも隠すものなど何もない/BankART Studio NYK(横浜)
個展 aureola/SPACE ANNEX Gallery(日本橋)

2011年
藝大先端2011 東京藝術大学先端芸術表現科卒業修了制作展/BankART Studio NYK(横浜)

受賞歴
2008年 第13回学生CGコンテスト 特別賞
2007アジアデジタルアートアワード 静止画部門入賞

ウェブサイト: http://lapisjupiter.com

全文提供: INAXギャラリー


会期: 2011年7月1日(金)-2011年7月28日(木)
会場: INAXギャラリー2
アーティスト・トーク: 2011年7月1日(金)18:00 - 19:00

最終更新 2011年 7月 01日
 

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