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岸幸太:もの、しみる
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 5月 13日

画像提供:photographers' gallery|Copyright© Kota Kishi

岸幸太はこれまで「傷、見た目」として東京の山谷、横浜の寿町、大阪の釜ヶ崎、と同じ町を繰り返し撮影し制作をしてきました。人への興味はその人の持つ傷、見た目から始まると岸が語るように、作品の多くはこの町に暮らす人の姿を写し出していました。そして人が持つ、見ることを躊躇してしまう傷、無視してしまう生を見続ける姿勢は、撮影対象がものへと広がりを見せている本展でも一貫しています。

ものへの感傷や美しさを求めて撮影されたようには見えない、軒先の長靴や捨てられた衣類、店先に並ぶ作業用手袋や簡易宿の入り口に並ぶ履物などの写真。岸が見つめるのはこの町を象徴するものではなく、一見、どこの町のものなのかさえわからないようなものばかりです。しかし、そうして拾い集めるように写されたものには、この町に暮らす人の生が確かにしみついています。この町を見続けることで立ち現れる、生への確信に満ち溢れた岸の写真をぜひ、ご覧ください。

展示内容/ゼラチンシルバープリント、203×254mm、約30点

岸幸太 KISHI Kota
1978 年千葉県生まれ
2003 年専門学校東京ビジュアルアーツ写真学科卒業

個展
2004 年「welcome」(photographers’ gallery・東京)
2006 年「傷、見た目」(photographers’ gallery・東京)
「傷、見た目」(photographers’ gallery・東京)
「傷、見た目」(photographers’ gallery・東京)
2007 年「傷、見た目」(photographers’ gallery・東京)
「傷、見た目」(photographers’ gallery・東京)
2008 年「傷、見た目」(photographers’ gallery・東京)
2009 年「傷、見た目」(photographers’ gallery・東京)

グループ展
2004 年「火の国展-photographers’ gallery exhibition」(熊本県立美術館分館展示室3・熊本)
2005 年「借りた場所、借りた時間 photographers’ gallery 横浜展」(BankART studio NYK・神奈川)

出版物
2004 年photographers’ gallery File05 『welcome』

※全文提供: photographers' gallery


会期: 2011年6月21日(火)-2011年7月17日(日)
会場: KULA PHOTO GALLERY (photographers’ gallery の向かい部屋)

最終更新 2011年 6月 21日
 

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