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須藤由希子:鉢植え展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2008年 11月 21日

《鉢植えと家-深沢》2008年、Oil, plaster and pencil on canvas mounted on panel、130.5 x 194.5 cm copy right(c) 2008 Yukiko Suto. Courtesy of Take Ninagawa

須藤由希子は東京郊外にある住宅街の風景を、モノトーンの世界として紙やキャンバスの上に創り上げていく作家として知られています。須藤の制作は、東京の街を散歩することから始まります。目にとまったなにげない景色を写真に納め、彼女が「見たとおりに」描きます。そこでは、対象物の輪郭が強調され、写実と個人的なパーセプションの間で、超自然的リアリズムが生まれます。 「場違いな面白さをもつもの」に反応し作品化する須藤は、今展で、鉢植えを題材とした新作シリーズを紹介致します。須藤は鉢植えについて「誰にでももつことができる。でも、たまに通常を超える人がいる。私にとって鉢植えとは、合理主義による都市環境や、全てのものが目的をもつべきであるといった考え方をひっくり返すもの」と話します。 2メートルに及ぶ大作「植木鉢と家 ‒ 深沢」(2008)のモティーフは、東京・深沢にある民家の軒先に並べられた鉢植えの様々な種類の木々です。民家の希薄なディテールさと対比し、鉢植えの葉の一枚一枚が強迫的ともいえる精密さによって描かれています。また、「100個の盆栽の風景」(2008)では、小さな台に乗った100個の盆栽が空き地に陳列して埋め尽くされている様子が、空と周囲にある建物の不思議な遠近感覚によって描かれ、独特な空間を生み出し、見るものにその景色のもつ深みある雰囲気を感じさせる作品となっています。上記2点に加え、8点の新作をご紹介致します。
※全文提供: Take Ninagawa

最終更新 2008年 11月 01日
 

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