澄毅は東京を拠点に活動を続けています。このたび2010年度キヤノン写真新世紀で佳作を受賞。本作「光」は、ここにはいない人の「写真」を見つめることから、その存在に思いめぐらします。
「写真に光を透すことは、手が届かないのに手を伸ばし続ける行為に似ている気がします。今回展示する作品は、亡くなった祖父母の家から見つかった古いアルバムの写真と現在の私の周りを撮った写真を中心に制作しています。」
澄自身が語るように、何らかのリアリティーを結ぼうと思いを結実させたイメージに、私たち見る者は何を受け止めることになるのでしょう。本展は、現在開催中の「写真新世紀 大阪展」(会場:アートコートギャラリー)に合わせた会期のため、金曜日~木曜日の開催となります(日曜日はお休み)。お気をつけてご来廊ください。お待ちしています。
作家コメント 写真に光を透すことは、 手が届かないのに手を伸ばし続ける行為に似ている気がします。 今回展示する作品は、亡くなった祖父母の家から見つかった古いアルバムの写真と現在の私の周りを撮った写真を中心に制作しています。 祖父のアルバムにあった多くの人たちを私は知りません。 同時に15年前に亡くなった祖父も現在の私の世界を知りません。 しかしその二つは確実にリンクしています。 そのリンクを私は写真に光を透すことで表現しました。 光を触ることはできませんが、 存在を見いだし、思いを馳せることは出来ると思います。 それは観る人の多くにとって共感出来ることなのではないかと思います。 どこまでいっても引き寄せるだけですが、 それでも「記録」となろうとする存在を少しだけ「記憶」にたぐり寄せれる気がします。 ある友人に、人は何も残さずに消えていくのがいいのだと言われた時、 祖父はその存在を残したいのかと考えました。 その答えはいまだに出ませんが、 「記憶」として思いを馳せる行為はとても大切なのだと思います。
澄毅(Takeshi Sumi) 1981 年 京都出身 2005 年3 月 明治大学文学部文学科ドイツ文学専攻卒業 2010 年3月 多摩美術大学美術学部情報デザイン学科卒業
展示 2007年 『六人の○○展』国立ギャラリーモンド 2008年 第30回写真『ひとつぼ展』銀座ガーディアンガーデン 2009年 2009年度『写真新世紀展』東京都写真美術館 2010年 『「あれから20 年、これから20 年」未来に届くアート展』銀座ガーディアンガーデン 2010 年 2010年度『写真新世紀展』東京都写真美術館 2010 年 個展『メテオ』企画ギャラリー『明るい部屋』
受賞 2008年 第30回写真『ひとつぼ展』入選 2009年 2009年度『写真新世紀』佳作(飯沢耕太郎氏選) 2010年 2010年度『写真新世紀』佳作(大森克己氏選)
※全文提供: Port Gallery T
会期: 2011年4月22日(金)-2011年4月28日(木) 会場: Port Gallery T
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