Takiguchiの作品は、モチーフに対して無意識的に想起させるような固定概念を極端にそぎ落とし、 純粋な要素だけをじっくり抽出し、画面を構成してゆく。そして、さらに残ったものを選択し、 画面に配置してゆく。象徴としての束縛を逃れて生命を吹き込まれた事物は、 核だけを残して新たな図像へと変容されてゆく。 彼らはそういったイメージの操作に興味を持ち、探求し続けるのである。
「必要なものと不要なもの」。紙上で行う分類を経ることにより、 それまで断片として存在していた対象が肉を帯び、重量を持ち、異質の存在として生まれ変わる。 なお、Takiguchiは一枚の平面作品を2人で共同制作するユニットである。
彼らは一般的なコラボレーション作品のように、作業を分担しているわけではなく、 別々に制作したものを持ち寄ってひとつにするわけでもない。 彼らはすべての制作時間を共有し、お互いが同時に筆を進めていく。 打ち合わせはなく、支持体に直接、線や色を重ねてゆく。 その過程で、描かれた線について一方が否定をもって塗りつぶし、 あるいは共感をもって描き留め、画面上の取捨選択を通じひとつのイメージを紡ぎ上げてゆく。
Takiguchi 〔賞歴〕2010年 ワンダーウォール審査員特別賞
■瀧 将仁 (TAKI Masahito) 1978年 静岡県静岡市(旧清水市)に生まれる。 2003年 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業 2005年 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了 2006年より東京芸術大学美術学部絵画科 油画・版画 教育研究助手
展示・受賞歴 2009年 UTM 伝統と現代 移行 -umsteigenⅡ- 浅草公会堂(東京) 東京藝術大学×ウィーン応用芸術大学版画交流展 移行-umsteigen- 藝大アートプラザ(東京) 東京藝術大学油画教員展-Summer Show- 日本橋高島屋(東京) TOKYO GEIDAI HANGA COLLECTION EYE of JYRE(東京) ラトビア藝術大学と東京藝術大学美術学部との国際交流展 東京藝術大学(東京) 第77回日本版画協会展 東京都美術館(東京) 瀧将仁新作版画展 シロタ画廊(東京) 第76回 日本版画協会 受賞者展 セントポールギャラリー(群馬) 2008年 第41回Atelier C-126展 みゆき画廊(東京) Exhibition ‘a sign’ 東京芸術大学(東京) HANGA from JAPAN Cross Bay Gallery(シドニー、オーストラリア) 日本版画招待展 半島美術館(上海、中国) ART SYDNEY ’08 ROYAL HALL INDUSTRIES,MOORE PARK(シドニー、オーストラリア) UTM「伝統と現代」ドキュメント展 浅草公会堂(東京) 東京芸術大学油画教員展-Summer Show- 日本橋高島屋(東京) 第76回日本版画協会展〈山口源新人賞〉東京都美術館(東京) 2007年 第40回Atelier C-126展 みゆき画廊(東京) UTM 伝統と現代(延承、演経、滲透)-水、墨、モノクロームの世界-展 台東区立旧坂本小学校(東京) 瀧将仁展 VCA Printmaiking Studio(メルンボルン、オーストラリア) UTM 浮世絵と伝統ー現代版画展ー 浅草公会堂(東京) 東京芸術大学版画研究室から生まれたアートの世界展 フォーエバー現代美術館(秋田) 2006年 第39回Atelier C-126展 みゆき画廊(東京) 東京芸術大学油画教員展-Summer Show- 日本橋高島屋(東京) 版画研究室交流展 東京芸術大学美術館陳列館(東京)VCA(メルンボルン、オーストラリア) News展 東京芸術大学(東京) 2005年 第3回山本鼎版画大賞展〈佳賞〉 上田創造館(長野) 平成16年度東京芸術大学卒業・修了展 東京芸術大学(東京) 2004年 第29回全国大学版画展 〈収蔵賞〉 町田国際版画美術館(東京) 東京芸術大学〈Septeni賞〉 2003年 東京芸術大学〈O氏記念賞〉 第71回日本版画協会展〈奨励賞〉 東京都美術館(東京) 平成14年度東京芸術大学卒業・修了展 東京芸術大学(東京)
■溝口 昇 (MIZOGUCHI Noboru) 1975年 静岡県静岡市(旧清水市)に生まれる。 2006年 桑沢デザイン研究所基礎造形専攻修了
※全文提供: 新宿眼科画廊
会期: 2011年4月1日(金)-2011年4月27日(水) 会場: 新宿眼科画廊
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