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A Conversation with Mathieu Mercier, Takaaki Izumi, Yuki Kimura, Soshi Matsunobe, Kaz Oshiro, Koki Tanaka About Abstract Objects
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 3月 22日

Soshi Matsunobe, All Over Object - Packaging Tape, 2008, packaging tape, ø 12 x 5 cm. Unique. Courtesy of & Super Window Project™ & Gallery.

”僕が興味を持つ作品は、違った読み取り方を凝縮させたものであると同時に、どんな解釈でも可能であり、その形態の中に、それ以上削除・省略できない何かがなければなりません。そしてその何かは常に、「これは一体何であろうか?」という問いから始まります。”

90年代初頭から、マチュー・メルシエはアーティスト、キュレーターまたはコレクターとして、コンセプチュアル、ヴィジュアルそしてフォーマルな理論や戦略を作品や展覧会において展開してきました。彼は興味の対象である、20世紀のアヴァン・ギャルド運動や、社会的で知的な理想郷、アートとフォルムの歴史や大量生産品の製造行程、デザイン、マーケティングを、ユーモアと的確さを兼ねて表現し、結果的にマルセル・デュシャンの精神を直接受け継いだ数多くの作品を制作しています。

今回、日本では二度目となるこの作家のプロジェクトは、グループ展と個展というふたつの形式、つまり、様々な歴史的/地理的背景や、異なった世代のアーティストに対して、議論し理解する可能性を提供するものとして、またキュレーターの視点として、異なった観点の抽象を表現する物体の有り様と妥当性について議論する為の、もしくは様々な意味合いを含む抽象を真に理解する為の展示として、見ることができます。 物体はどの時点から抽象的な概念となりうるのか?物体がその物体の概念に溶け込むことはできるのか?その一つの答えとして「私たちが信じているのは、真実のイメージである」と言えるかもしれません。

更に、Muzz と Super Window Project による二度目のコラボレーション企画であるこの展覧会は、グローバリゼーションや人間社会の混淆現象によって確実に加工され、融合しているかのように見える日本のアートシーンと、抽象表現主義からコンセプチュアリズム、ダダからポップ・アート、モダニズムからミニマリズム等の、意識的/無意識的な表現手段の一部として一般的に用いられてきた、西洋を中心とする歴史やイコノグラフィー(図像)との対話を試みる企画であり、絵画から、ビデオ作品、レディーメイド、写真、彫刻など、オブジェを集めて以前ホームセンターだった会場で展示し、それら物体の溶解を促します。

アイデアが手に触れることのできる形となり、物体が概念であるアイデアに変化することを基点とする対話を可能にするため、田中功起、木村友紀、松延総司、大城カズ、そして泉孝昭らの作品が集められました。そしてその対話は、並列、移行、転換、対立、を通して考察する可能性と、全てのオブジェに関して製作の意図を問う議論の場を提供してくれます。

最後に、メルシエの作品が、森美術館で行われる「フレンチ・ウィンドウ展 : デュシャン賞にみるフランス現代美術の最前線」にて展示されます。メルシエは2003年にデュシャン賞を授与されました。

※全文提供: Super Window Project


会期: 2011年3月19日(土)-2011年4月24日(日)
会場: MUZZ(京都市左京区浄土寺馬場町71 ハイネストビル1F http://www.muzz.tv


最終更新 2011年 3月 19日
 

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