泉孝昭:日常の虜 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 3月 20日 |
泉孝昭は1975 年、福岡生まれ。現在は名古屋にて制作活動。近年では「変成態―リアルな現代の物質性 vol.3 『のようなもの』の生成」(αM ギャラリー)「あいちトリエンナーレ2010」に参加し、貨物運搬用パレットの木材を用いたインスタレーションを発表いたしました。 泉は素材としての日常的な「モノ」が何がしかの意味を託された「作品」に変化していく、その変貌の過程・瞬間を視覚化するというコンセプトで、一貫して制作を続けています。理論や概念とは別次元で確かに存在する(あるいは存在してしまう)創作行為のよろこび。日々の中で無意識的に発生するそれをすくいあげ、呈示する泉の作品は「表現すること」そのものに対しての問いを誘発します。 また泉の作品は1950-60 年代の具体美術やもの派への、ゆるやかな再解釈としての側面もあわせもちます。先人が壮大かつ重々しく表現したそれは、軽やかに、偶然のようなジェスチャーをもって表現されます。欧米の現代美術が掲げてきたミニマリズムやコンセプチュアリスムの概念と、日本的な「余白」や「間」の融合は、欧米のアート関係者から注目されZabludowicz Collection(イギリス、ロンドン)へも複数の作品が所蔵されています。 本展覧会ではサイコロやトランプ、風船や偽物のツリーなど、日常的に目にする素材を用いた新作5点を展示の予定です。TARO NASU では5年ぶりとなる泉孝昭の個展をご高覧いただければ幸いです。 ※全文提供: TARO NASU 会期: 2011年4月1日(金)-2011年4月28日(木) |
最終更新 2011年 4月 01日 |