冨井大裕:色と形を並べる |
編集部ノート |
執筆: 田中 みずき |
公開日: 2011年 3月 20日 |
マルセル・デュシャンが展示した便器を初めて観た観客のように、「?」と頭上に浮かべながら観たい展示。会場に並ぶのは、色とりどりのビニールテープやクランプ、ポスター、カーペットなどの物品である。奇麗に一直線に並べたり、二個体を組み合わせたり、筒状に丸めたりされた物品たちは、道具箱の中で観るそれらとは違って見える。 何故、物品が作品として並んでいるのかという問いの後に来るのは、私達は物品の色を見たことがあっただろうか?、物品の形をしっかり捉えたことがあっただろうか?、など、自分の物の見方に対する問いかもしれない。幾つかのクランプの、ものを挟むネジが宙で舞うように違う向きを指して止まり、本体の互いががっちりと組まれる様が美しいなんて、誰が知っていただろうか? |
最終更新 2015年 10月 31日 |