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手塚愛子:透明な果実
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 3月 10日

《untying (Tiziano) 》2011年
解かれた織物|25×35.5cm
画像提供:ケンジタキギャラリー
Copyright © Aiko Tezuka

1年間のロンドン(英国)滞在を経て2011年2月下旬に帰国したばかりの手塚愛子氏。3月末からは、文化庁派遣(文化庁新進芸術家海外研修制度2年派遣研修員)により渡独予定。既製品の織物を解く作品や、刺繍の手法を取り入れた繊細かつダイナミックな作品などで注目される手塚愛子氏が、ロンドンで制作した最新作を発表します。

「透明な果実」と題された今展では、有機的な形が繰り返し登場します。洋なしを逆さにした形は、子宮のメタファーとして発想を得たと言います。人の頭部や宙に浮かぶ卵のようにも、また何かの痕跡のようにも見える「ある形」が、解体された織物の緩く薄い層の中に浮かび上がります。既製品の織物を解いてカラフルな糸を抜き出すシリーズほか、名画を織物にした布を用いた作品や衣服の裾部分を用いた作品、 また、人影をモチーフにした作品など、新たな展開を予感させる最新作を発表。

手塚愛子 関連情報
アサヒビール大山崎山荘美術館(京都)「プリズム・ラグ - 手塚愛子の糸、モネとシニャックの色」展 2011年3月17日〜6月12日では、手塚愛子の旧作から最新作までを展示。

手塚 愛子
1976年 東京都生まれ
1999年 武蔵野美術大学 造形学部油絵学科卒業
2001年 武蔵野美術大学大学院 造形研究科油絵コース修了
2005年 京都市立芸術大学大学院 美術研究科博士(後期)課程油画領域修了
博士号(美術)取得 博士論文「織りとしての絵画」
2010年 五島記念文化財団新人賞により渡英(2011年2月下旬に帰国)
2011年 文化庁新進芸術家海外研修制度により2年派遣研修員として渡独予定(3月末より)

主な展覧会
2005年「VOCA展2005 現代美術の展望 – 新しい平面の作家たち」上野の森美術館(東京)佳作賞受賞
2006年 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2006(新潟)
2007年 個展 「薄い膜、地下の森」スパイラル・ワコールアートセンター(東京)
2007年「「森」としての絵画 :「絵」の中で考える」岡崎市美術博物館 (愛知)
2007年「サイクルとリサイクル」愛知県美術館
2008年「MOTアニュアル2008 解きほぐすとき」東京都現代美術館
2008年「Tangent」国際芸術センター青森(青森)
2008年「たねとしかけ」群馬県立近代美術館
2009年 個展「落ちる絵 - あやとり」ケンジタキギャラリー(東京)
2009年「Stitch by Stitch – 針と糸で描くわたし」東京都庭園美術館
2009年 第1回所沢ビエンナーレ美術展「引込線」西武鉄道旧所沢車両工場跡(埼玉)
2009年「City_net Asia 2009」ソウル市美術館(韓国)

※全文提供: ケンジタキギャラリー


会期: 2010年3月11日(土)-2011年4月23日(土)
会場: ケンジタキギャラリー / 東京

最終更新 2011年 3月 11日
 

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