藤井まり子:Existence |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 3月 02日 |
企画公募第8弾、京都造形芸術大学大学院2回生の藤井まり子による個展。 藤井まり子は、「存在」をテーマに写真や映像作品を制作してきました。被写体がはっきりわからない写真《photo-portrait》(2010年)や、人が呼吸をする姿を撮り続けた映像《breath》(2010年)など、対象となる「他者の存在」を考えざるを得ないような作品を作ってきました。 本展では、平面から立体へと表現の幅を広げる挑戦をします。1階では、バスタブにコピックというペースト状の型取り用の素材を入れ、作家自ら浸かり固まった後、脱出するというパフォーマンスを初日に予定しています。バスタブは、会期中ずっと展示されます。バスタブの中に残る何者かの抜け殻。それを目の当たりすることで、鑑賞者に、存在したはずの誰かのことを想像させます。 また、2階は、梨地シートという白っぽく透けた薄いシートがカーテンのように張り巡らされており、自然に鑑賞者が取り込まれるような構成となります。シートの向こう側のぼやけた存在。それが何かが判別できないという不安感とともに、わからないからこそ知りたいという好奇心が湧いてきます。写真や映像では存在しえなかった「向こう側」が現れることで、より鑑賞者は、他者という自分ではないものの存在や、それらとのつながりを強く感じられるでしょう。 物質的には確かに見えるのに、抜け殻でしかないバスタブ。生身の人間がすぐそばにいながらはっきりとは見えない空間。他者という存在を感じながら、自身の存在を改めて見つめ直す。そうした体験を生み出す実験として、藤井まり子個展『Existence』を開催させていただきます。 オープニングパフォーマンス+パーティー 藤井まり子 FUJII Mariko 展覧会 ※全文提供: art project room ARTZONE 会期: 2011年3月12日(土)-2011年3月27日(日) |
最終更新 2011年 3月 12日 |