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小野さおり:ギフト
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 2月 26日

《ハジマリノザワザワ》
2010年|Oil on canvas|145.5 x 145.5cm
画像提供:ギャラリーモモ
Copyright© Saori Ono

小野さおりは1981 年福島県生まれ。2005 年女子美術大学大学院修了、昨年群馬青年ビエンナーレ及びシェル美術大賞展でグランプリをダブル受賞、一躍脚光を浴びることとなりました。現在神奈川県に在住、女子美術大学の学生相談室で学生に親身に接しながら、制作を続けています。

福島県の漁港の漁師の子として生まれ育ち、祖父を海で亡くした小野は、その時自然に対する畏怖、命に対するはかなさとかけがえのなさを体験し、ただ祈ることしかできなかった記憶を、深く心にとめて生きて来ました。

今展の「ギフト」はそうした祈りへの供物として捧げられると同時に、人や自然から与えられるものとしての「ギフト」として、二重の意味を持って作品が展開されています。そこには自然のみならず、人の手によって造られた容器にさえ、慈愛に満ちた優しい眼差しを感じることができます。

2 年振りとなる個展ですが、やわらかでしっとりした表現は従来のままに、細部へのこだわりがより一層増して、緻密な作品に拡がりや奥行きを感じさせることでしょう。風薫る新緑の季節、みなさまのご高覧をお待ちしています。

” ギフト” それは私が与えられたものであり、返していかなくてはならないもの。祈りを込めて、大切な人たちに、大切な自然に、大切な私自信に。
カミサマのようなものを追うこと(祈ること)は作品創りに似ていて掴みどころがなく、自分自身の心境の変化によって都合良く解釈され、変化していきます。でもそれで良いのだと思います。それが、ミエナイということの素晴らしさで、カミサマのあるべきカタチだと思うから。
私は” ギフト” として与えられた絵を描く能力を” ギフト” として供物を描き、祈りのカタチとして表現することで、心地よい静寂と共に、守られているような、また、誰かが誰かを想う時に感じる温かさを表現できればと、制作を続けています。

-2011 年 小野さおり

小野さおり
1981 福島県生まれ
2003 女子美術大学大学卒業
2005 女子美術大学絵画科洋画専攻大学院卒業

個展
2008 ギャラリー山口(東京)
2009 GALLERY MoMo Roppongi ( 東京)
2011 GALLERY MoMo Ryogoku ( 東京)

グループ展
2008 「シェル美術賞展2008」 代官山 ヒルサイドフォーラム( 東京)
2009 「The 7th art jam exhibition」ギャラリー山口(東京)
2010 「群馬青年ビエンナーレ2010」群馬県近代美術館(群馬)
「EMERGING DIRECTORS' ART FAIR ULTRA003」 スパイラルガーデン ( 東京)
「シェル美術賞展2010」 代官山 ヒルサイドフォーラム( 東京)

受賞
2010 群馬青年ビエンナーレ2010 大賞
シェル美術賞展2010 グランプリ

パブリックコレクション
群馬県近代美術館

※全文提供: ギャラリーモモ


会期: 2011年4月9日(土)-2011年5月14日(土)
会場: ギャラリーモモ両国
オープニングレセプション: 2011年4月9日(土)18:00 - 20:00

最終更新 2011年 4月 09日
 

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