三沢厚彦:Meet The Animals-ホームルーム |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 2月 15日 |
「Meet The Animals-ホームルーム」は、京都出身の彫刻家・三沢厚彦(みさわあつひこ、1961-)が京都=ホームで初めて開催する個展です。本展は、小学校の雰囲気を湛える京都芸術センターの場所性を生かし、はじめてクラスメイトに会った時のような感覚、過ごしてきたあの時を想起させながら、動物たちとの「出会い」をテーマに開催いたします。 三沢は、2000年からユーモラスで親しみのある動物の木彫作品を発表し、近年ではあいちトリエンナーレなどで空間と作品の関係性を重視した独自のインスタレーションともいえる展開をみせています。三沢の動物たちがもつ木の温かみや作品表面の質感、リアルな大きさは見る者に「生き物」としての印象を与えます。これらの視覚的要素も作品の一つの側面ではありますが、それ以上に見る者に抱かせる親しみや愛らしさといった感情は、まるで誰かと出会ったときの瞬間を彷彿とさせ、単なる「見ること」を越えた「出会い」を体感させます。 ホワイトキューブの空間に同化するかのように私たちを待つ白い動物たち。有機的な館内にぽっかりと浮かぶ二つのギャラリーには、三沢作品の醍醐味ともいえる巨大な木彫作品を展示します。それと対象的に軋む木の廊下、和室など館内各所には、小さな動物たちを展示。また、教室の一画には三沢のアトリエを再現し、動物たちの生まれる場所の様子を再現します。 「出会い」―それは瞬間でありながら、心の中に留まり増幅していく。巨大な動物の迫力、館内を歩くことによって演出される巡り合いは、心の中にそれぞれの感情を抱かせることでしょう。 また、京都芸術センターがビジュアルアートに限らず、多彩なジャンルのアーティストの制作の場となっている特徴を生かし、京都芸術センターで活動するダンサーたちとのコラボレーション「The Animals Meet Dance. 」を開催します。このコラボレーションを通して、彫刻と人間の共存を試み、「生き物」としての存在感を放つ動物たちの間で、人はどのような影響を受け身体をみせるのか考える機会とします。 三沢厚彦(みさわ・あつひこ) 個展 関連企画 トークイベント 関連企画「The Animals Meet Dance.」 ―人間がほかの動物をどう見るかということは、それらにどのような人間像をあてはめるかということかもしれない。またその逆で人間という不可解な性質の持ち主に動物の強い個性をあてはめたりするのであろう。 Animalsとの出会い。人との出会い。その瞬間に私たちは、様々な感情を抱きそれを「出会い」の証拠として記憶し続けます。作品から影響を受ける身体、その逆で動く身体のある空間で彫刻作品はどのような出会いの感情を掻き立てるのか、ご期待ください。 ※全文提供: 京都芸術センター 会期: 2011年4月10日(日)-2011年5月22日(日) ※会期中無休 |
最終更新 2011年 4月 10日 |