電子書籍元年といわれる2010年を経て、「本」という概念が今後も大きく変化を遂げていくことと思います。 紙の本が滅びる・・・というノスタルジックな危機感の一方、音声や映像など紙の本では得られなかったものがデジタルで可能になり、新しい本の世界を拡げてくれることと期待します。
現代美術の分野に於いてもさまざまなメディアと世代にわたる今展の作家たちが各人各様のメッセージを多様に表現いたします。
【出展作家】 福岡道雄 Michio FUKUOKA 1936年堺市に生まれる。1960年代以降、自身の日常生活や内省的な独白を彫刻のテーマにすることにより当時主流であった構築的な彫刻作品と一線を画する特異な世界観を打ちたてる。70歳を機に「つくらない彫刻家」を宣言、今日に至る。
藤本由紀夫 Yukio FUJIMOTO 1950年 名古屋市に生まれる。学生時代に現代音楽を専攻する。 1980年代より、聴覚を取り入れたサウンド・オブジェを発表して注目を浴びる。 以降、鑑賞者の五感を触発する制作や空間造りなどを意欲的に展開する。 ベニスビエンナーレ出品など国際的にも高い評価を受ける。
かなもりゆうこ Yuko KANAMORI 1968年 神戸市に生まれる。身近な風景や生活のなかにあるささやかなシーンや所作を繰り返す独自の作風の映像作品で知られる。 映像とともに展示空間も映像の出演者と共に作り上げるという手法でコミュニケーションを織り込みながら日常という作品をつくりあげていく。
森末由美子 Yumiko MORISUE 1982年 京都市に生まれる。京都市芸術大学大学院で版画を学ぶ。 本や歯ブラシなど身のまわりの日用品を巧みな手業で削ったり付け足したりすることにより、機能の片鱗を残しながらも鑑賞者の既成概念を混乱させるようなあらたな形態に転換させる。
柴田精一 Seiichi SHIBATA 1984年 神戸市に生まれる。京都市芸術大学大学院で彫刻を学ぶ。 例えば古典的な切り紙細工の手法を使った作品はかたちや色の美しさとともにさまざまな有機的な生を想起させる。 自然の造形を独自の手法で模倣することにより、作家の介在を希釈した「もう一つの自然」の造形を試みる。
※全文提供: ギャラリーほそかわ
会期: 2011年2月28日(月)-2011年3月26日(土) 会場: ギャラリーほそかわ
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