中川佳宣:卓上の種子 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 2月 09日 |
《卓上の種子 94031》1994年 中川佳宣は1964年大阪府生まれで現在滋賀県在住。大阪芸術大学を卒業した1987年の初個展以来、一貫して植物や植物と人間との関わり、すなわち農耕や栽培、農業といった人間の根源的な営みや植物の構造をモチーフに作品を制作しています。様々な素材を自在に操る職人的な手技や、作品の素朴な佇まいから漂う豊かな詩情により、これまでつねに多くの人々を惹きつけてきました。 タグチファインアートで6度目の個展となる今回は、作家がドローイングとして位置づけ、継続的に制作している「卓上の種子」を展示致します。新作と近年の作品が約半数、それに加え、これまで展示する機会のなかった1995年前後の旧作が出品されます。 「卓上の種子」は、中川自身が以前に描いた油絵の絵の具の層を剥がしたり、さらに何層も重ね塗りしたりしたキャンバスをベースに、その上に種を蒔くかのように、ドット状の形態を均一に並べて描いた平面作品です。描くと言っても筆やナイフを使うわけではなく、パンチングメタルや方眼紙、ロウソクの煤などをもちいて独自の方法で制作されています。こうした中川の制作過程は、大地を丹精込めて耕し、そこに種を蒔き苗を植える農夫の行為や身体運動と類比されます。農夫が種を蒔くように、彼はあらたなかたちを生み出していくのです。 ※全文提供: タグチファインアート 会期: 2011年3月5日(土)-2011年4月2日(土) |
最終更新 2011年 3月 05日 |