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鷹取雅一 展
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 1月 14日

画像提供:児玉画廊

「高校時代は友だちの家に集まって、プレゼント交換をしたり、ケーキを食べたりで盛り上がってました。私が持っていったのはクッキー。「かわいくておいしい」って評判?でした。またみんなで集まりたいな」

昨年倉敷市立美術館(岡山)で開催されたグループショー「共鳴する美術2010-ストーリー・テリング-」において発表されたインスタレーションを児玉画廊で新しく再構成した展示となっています。

児玉画廊での2度の個展「洋画アポカリプス」(京都, 2009)、「DRAWINGDROOM」(東京, 2010)、そしてアートフェア京都(2010)と、いずれも空間を埋め尽くしてなお余ある膨大な作品数と、一点づつの執拗なまでの描画密度、その両面から見る者を常に圧倒してきた鷹取。昨年末、倉敷市美術館でのプレゼンテーションはそのスタイルでの一つの集大成としての側面を多分に担っていたと言えます。セクシャルな描画イメージ、樹脂やシリコンなど過度に肉感的な素材、 猥雑なコラージュや写真の集積、それらのいかにもな俗っぽさと、それとは裏腹に端的で質量を持った空間構成とのアンバランスな混成体として、他に類を見ない特異性を放っていたのは疑う余地はないでしょう。

対して今回が、一度構成したインスタレーションの再構築であるという点には、鷹取自身未だ見ぬ新たな展開へ向けた、布石としての意味合いがあります。これまでとは打って変わって空隙を活かし、作品一つ一つと全体との関係性を綿密に量るように構成されています。インスタレーションを構成する装飾や作品のそれぞれはほとんど変化がないにも関わらず、新たなリズムが生まれ、空間に緊張が漲っている様子は、これまでとは一線を画す好対称の展示と言えます。鷹取が今後見せるであろう新たな側面を推し量るに相応しい内容となっています。

※全文提供: 児玉画廊 | 京都


会期: 2011年1月15日(土)-2011年2月19日(土)
会場: 児玉画廊 | 京都 2F Gallery
レセプション: 2011年1月15日午後6時より

最終更新 2011年 1月 14日
 

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