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「美術の地上戦」OVER TONE II
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2010年 12月 06日

画像提供:江川純太

2002年に神奈川県民ホールギャラリーで、アメリカから4人、日本から3人が参加した展覧会「OVER TONE」を開催した。この展覧会の目的は、単に外国の作家と交流するだけでなく、これからの美術はどうあるべきか、どう提示すべきかを問うことにあった。前回の「OVER TONE」のカタログに美術評論家の西村智弘は、「新しさとはつねに出会いのなかから生まれる。しかも異質なものとの出会いにおいて生まれるのだ。社会とのあいだに、他者とのあいだに、あるいは自分自身とのあいだに、従来とは異なった関係を構築することが新しさを生みだすのである」と書いている。「OVER TONE」は、展覧会自体が「異質なものとの出会い」の場となり、それぞれの参加者にとって「新しさ」を生みだすきっかけとなったのだった。

今回、新たに開催される「OVER TONE」は、前回の理念を引き継ぎつつ、さらなる展開を目指している。参加国はアメリカ、ドイツ、タイ、日本と増えており、音楽やパフォーマンスなどの他ジャンルの表現者が集まっている。また、カタログに美術評論を寄稿した7人の書き手もいわばひとりの作家として展覧会に参加している。日本の作家は海外で作品発表の機会があると、美術を通して日本と外国の違いを痛切に感じる。外国の作家も日本の文化に出会うことで、異質なものを発見し、お互いに新しい可能性を切り開くであろう。「OVER TONE」は、美術、音楽、身体表現などがこれからどうあるべきかを模索している者たちによってつくられる総合プロジェクトである。それは、展覧会に関わるひとりひとりと共に生まれ、また共に成長していくものとなるだろう。

出品作家
■美術
岩澤 有徑、池崎 義男、内山 聡、江川 純太、勝又 豊子、カモール・タナサンチャリー、木原 真男、国島 征二、倉重 光則、クリストフ・ラスト、齋藤 雄介、坂口 登、シルビア・シュライバー、千崎 千恵夫、高島 芳幸、タッチャイ・ホンペーン、中込t; 靖成×濱崎 幸友、中山 正樹、ハーマン マイヤー ・ノイシュタッド、ヒグマ 春夫、フランク・ファーマン、本田 眞吾、山田 和夫、吉岡 まさみ、ロバート・ウォーカー

■パフォーマンス
演劇ユニット「山田工務店」+劇★派、morninglandscape、Lens 、川崎 毅(覚醒微笑)、 那須シズノ、 万城目 純×相良 ゆみ、 増田 直行×若尾 伊佐子

■音楽
入間川 正美(チェロ)、 加藤 チャーリ千晴(ヴァイオリン)、 仲野麻紀(サックス)×Yann Pittard(ギター)、 水野 俊介(5弦ウッドベース)、 宮田糸句子(ヴァイオリン)

美術評論
坂上 義太郎、 中井 康之、 中野 仁詞、 西村 智弘、 藤嶋 俊曾、 向井 修一、 宮田 徹也

※全文提供: OVER TONEⅡ実行委員会


会期: 2010年12月7日(火)-2010年12月18日(土)

最終更新 2010年 12月 07日
 

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