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Exhibition as media 2010:SHINCHIKA SHINKAICHI(シンチカ シンカイチ)
編集部ノート
執筆: 平田 剛志   
公開日: 2010年 12月 01日

SHINCHIKA《JSCO》2008年
提供:山口情報芸術センター[YCAM]
写真:丸尾隆一

    2002年、大阪・新世界にある新世界国際地下劇場にインスピレーションを受け結成された5名のアーティストによる娯楽チームSHINCHIKA(シンチカ)。彼らの関西では初めての本格的な個展が神戸アートビレッジセンターで開催されている。
    今展の特色はSHINCHIKAの作品だけでなく、メンバー5名(勝村富貴、久門剛史、藤木倫史郎、藤野洋右、吉川辰平)の作品がそれぞれ展示され、グループワークの裏に隠れていたそれぞれの個性が浮かび上がる点が見どころである。展示構成は1階のKAVCギャラリー、1roomにおいてメンバーそれぞれの作品が展示され、地下のKAVCシアターでSHINCHIKAによる映像作品が特設舞台上に上映される構成となっている。つまり、1階から地下へと導線上に作品を見ていくと、個々の作品が最終的にSHINCHIKAの映像作品へと結実するように構成が練られているのだ。シアトリカルな祝祭的地下空間として造形化されたKAVCシアターは、SHINCHIKA流「新世界国際地下劇場」なのか、あるいは、かつて映画館、劇場などの娯楽施設が立ち並んだ新開地へのオマージュなのかもしれない。
    新世界に新開地、そしてSHINCHIKA。新宿、新幹線、新世紀エヴァンゲリオン、新撰組、新約聖書・・。「新」がつくだけで、地名は繁華街の賑わいと猥雑さを漂わせ、ものや言葉には夢や希望、未来が込められる。「新」には強いエネルギーで人々を惹きつけてやまない魅力がある。そう、SHINCHIKAにもそんなエッセンスがたくさん詰め込まれている。

最終更新 2011年 2月 09日
 

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