眞島竜男:北京日記 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2010年 11月 21日 |
1970年生まれの眞島竜男は、徹底したリサーチに基づいたうえで独特のユーモアを交えた作風を特徴に、文章、写真、映像、パフォーマンスなど多様なメディアを用いた作品を発表してきました。 今回の個展では、美術における近代とは何だったのかをテーマにすえて、日本の近代画家である梅原龍三郎と岸田劉生のそれぞれの日記の形式を借りたインスタレーションを二部構成で展示致します。 梅原龍三郎は1939年に初めて北京を訪れて以来、繰り返し北京に滞在し「北京時代」と呼ばれる作品群を残しました。今回眞島は、梅原が北京滞在中に日記に記した行動を徹底的に模倣し、写真、ドローイング、そしてあらたに眞島が記した日記をあわせて《北京日記》として展示いたします。 一方《鵠沼相撲・京都ボクシング》では、岸田劉生が記した日記を模した架空の「劉生日記」を創作し、その朗読パフォーマンスをおこないます。 梅原も岸田もともに近代日本を生きながら、近代にふさわしい美術、美術家像を手探りで模索しました。それぞれに美術という、いわば輸入された概念を日本人なりの方法で解釈し、美術の担い手としての理想像に自らをあわせるべく格闘し続けた人生を送った二人です。彼らの姿を通して現代の日本の「アーティスト」の姿とアートをめぐる状況を考察する本展覧会は、いまだ歴史的位置づけの再解釈の余地を充分に残す「日本近代美術」の意味をも問いかける内容となっています。 《鵠沼相撲・京都ボクシング》の朗読パフォーマンス 対談イベント ■菊地敦己(アートディレクター)× 眞島竜男 全文提供: TARO NASU 会期: 2010年11月26日(金)-2010年12月25日(土) |
最終更新 2010年 11月 26日 |