ALIMO:ヒロナガヤマモトアリモチ/ |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 10月 29日 |
ALIMOは多摩美術大学油画科を中退後、医療カメラマンを経て、アニメーション制作に着手しました。「アニメーション・タブロー」という独自の方法論で、絵画とアニメーションを対峙させた表現に取り組み、様々なコンペティションで受賞するなど、現在、大きな注目を集める作家の一人です。 ALIMOは、一枚のキャンバスに油彩画を描く過程を記録し、その行為の積み重ねをアニメーション作品として完成させます。描いては消し、また描くという行為の痕跡は画面の中で完全に消えることなく残り、一つの作品世界が出来上がるまでに費やされた長い時間を想像させます。 ALIMOの描く一本一本の線は大変繊細で、画面を覆う柔らかな色彩と相まって、観るものの心に温かな印象を与えるかもしれません。ただそうした線や色彩の印象に反し、画面に描きだされるイメージには、世界で起きている戦争や紛争を想起させるものが所々に含まれています。ALIMOはそうしたイメージを作品の中に潜ませることで私たちの心に揺さぶりをかけてきますが、題材となっている問題に対して肯定も否定もすることはありません。ALIMOは、世界で起きている現実をただ淡々と見つめ、そこに流れる時間を切り取り、誇張や演出をせずに私たちに無言で提示するのです。世界にながれる時間に降れ絵画とアニメーション、そして、我々の生きる現実を行き来するALIMOの作品世界。ぜひこの機会に多くの方にご覧いただければと思います。 ※全文提供: Art Center Ongoing 会期: 2010年10月27日(水)-2010年11月7日(日) |
最終更新 2010年 10月 27日 |