編集部ノート
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執筆: 田中 みずき
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公開日: 2010年 10月 27日 |
白地に現れる抽象的な黒や黄色のぼやけた線は、つかみきれない模索の跡か。 アイボリーの壁に一直線に並べられているのは、正方形のキャンバス。人の頭程の大きさである。こじんまりとした画面は、大広間に掲げるものというより、個人的な世界で楽しむためのものかも知れない。いつしか親近感が沸いてしまう。作品に向き合うということは、作品と何かを共有することなのかも知れない。作者とではなく、そこから自立した作品と向き合うのだ。両手の掌程の画面の正面に立ってみると、小さな画面に重なる色が奥深くまで続いていくように見え、向き合う楽しさを教えてくれる。
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最終更新 2010年 10月 27日 |