須藤由希子:畑展 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 10月 06日 |
須藤由希子《仙川の畑 - 斜面》2010年|Oil, pencil and plaster on canvas mounted on panel|131 x 194 cm|Courtesy of the artist and Take Ninagawa 須藤由希子は東京郊外にある住宅地の自然と建物が共存している風景を、主に鉛筆を用いながら、輪郭を強調したモノトーンの世界として紙やキャンバスの上に創り上げていく作家として知られています。須藤の制作は、街を散歩することから始まります。そこで生活している人々の様々な感情や時間の流れと自然の摂理が絡み合い「超然とした姿をみせる」風景に魅せられて、須藤の絵は生まれます。その土地特有の住宅や鉢植え、住宅の周りに並べて植えられた低木等は、日常生活の中で対立するシステムでありながら、補完しながら共存している2つの要素、つまり規則、経済や需要によって管理されているもの、そしてもう一方は、偶然や自然発生的に、また表現として生まれるものを劇的に描写しています。 本展では都市郊外の街中に突如現れる小さな家庭菜園をテーマに大作4点を展示致します。2mに及ぶ大作「仙川の畑 - 斜面」(2010)では、規則正しく並んでいる野菜が様々な種類の野生の植物や背の低い石壁に縁取られるようにして、画面の前方大部分を占めて描かれています。春の風景であるこの作品では、ツツジや菜の花に色が彩られます。また、須藤の実家の畑をモチーフにした「実家の家庭菜園」(2010)では、画面手前に大きく描かれるブロッコリーやカリフラワーの葉といった野菜や、中央のサトイモなどは輪郭のみで描かれているにも関わらず生命力を感じさせ、須藤の目に映る世界を垣間見ることができます。 須藤由希子 ※全文提供: Take Ninagawa 会期: 2010年10月15日(金)-2010年11月27日(土) |
最終更新 2010年 10月 15日 |