深井聡一郎:深き森を歩く |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 10月 02日 |
深井聡一郎は、武蔵野美術大学彫刻学科修士課程を修了後、個展をはじめ数多くのグループ展に参加するなど、精力的な活動を続ける現在注目の作家です。深井はこれまで一貫して陶を素材とした彫刻を手がけてきました。 深井の生み出す陶の作品は、お皿や花瓶といった一般的な焼き物のイメージとは大きく異なり、風景や動物といった具象的な形を持った立体彫刻です。それは時に、赤い日本家屋とその庭を走る犬であったり、中世ヨーロッパ風のドレスをきた顔の無い貴婦人であったり、山脈から生える柔らかい女神の手であったり。 こうした具体的なイメージが定着した彫刻は、すべて深井が過去に体験した記憶がもとになっています。ただ不思議なことに、深井の個人的な記憶から生み出されたこうした陶の彫刻群は、それを見る者の記憶にも作用し、どこか懐かしさすら覚えます。土という素材から生まれた彫刻には、生命を育む大地に蓄積された時間が組み込まれ、それが見る者の心に作用しているのかもしれません。 見るものの記憶に作用を及ぼす深井聡一郎の作品世界。ぜひこの機会に多くの方にご覧いただければと思います。 ゲストトーク ※全文提供: Art Center Ongoing 会期: 2010年9月29日(水)-2010年10月11日(月・祝) |
最終更新 2010年 9月 29日 |