| EN |

アクティヴィズムの詩学:Vol.4 羽山まり子
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 9月 28日

《A private lifeline》2010年
画像提供:gallery αM|Copyright © Mariko Hayama

αMプロジェクト2010「複合回路」シリーズ展覧会第四弾。鈴木勝雄によるキュレーションによる。

「複合回路」の中で、この「アクティビズムの詩学」が担う役割は、芸術的な実践を社会的な領域へと接続する「回路」を模索することにある。

「いま・ここ」という現場感覚に根ざして、現実に対する批判的な介入を試みる表現者を念頭におこう。彼らは、現実の世界はひとつであるという覚悟をもって、その内側からの「変化」を惹き起こそうと試みる。日常的な素材をモチーフに、身体的な感覚から紡ぎ出される個の視点を、他者と共有しうる「問い」へと鍛え上げるのだ。

このような社会に積極的に働きかける芸術的実践を、その対象に切り込む志向性と、既存の価値観を揺さぶる批評性を含めて「アクティビズム」と呼ぼう。しかし、ここで課題として掲げたいのは、その「詩学」である。ギャラリーの空間内で成立し、鑑賞者に深い感性的な体験を与えたうえで、しかも開かれた議論を誘発する「アクティビズム」とはどのようなものなのか。ここで取り上げる二人の作家の仕事に導かれつつ、芸術としての強度を増幅しながら社会へと根を伸ばす回路を発見していきたい。

はやま・まりこ
1983年千葉県生まれ。2010年女子美術大学大学院絵画領域洋画専攻修了。主な活動に2008~2009年ワタラセアートプロジェクト(群馬/栃木)、2009年個展「keep distance」ガレリアnike(東京)など。ワタラセアートプロジェクトでは企画・運営に携わるなど、地域の歴史や文化の深層を抉り出すインスタレーションを制作。

全文提供: gallery αM


会期: 2010年9月25日(土)-2010年10月30日(土)

最終更新 2010年 9月 25日
 

関連情報


| EN |