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梶井照陰:KAWA
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 8月 24日

画像提供:フォイル・ギャラリー|Copyright © Shoin Kajii

所属作家である梶井照陰の新作写真展。今展は2008年に弊廊で開催されました写真展「限界集落」より、約2年半ぶりの個展となります。

梶井が佐渡島で荒々しい日本海に対峙し、その迫力と美しさで圧倒した「NAMI」を発表したのは2004年。その撮影中に発見したのは、太古から私たちに密接な存在であり、山から麓へ、果ては壮大な海へと一方向的な流れのままに姿を変える川でした。 新潟で僧侶をするかたわら、その波の写真を撮り続けてきた梶井はあるとき、一筋の小川と出会い、これまで撮影してきた寄せてはかえす波とは異なる、「川」という存在に新たな水の表情を見つけます。 以後6年ものあいだ、新潟や長野、イグアスの滝、中国、オーストラリア、カナダ、モロッコ、南米など世界各地を歩き、さまざまな川の撮影を続けてきました。

川を撮影し続けた時間は、梶井にとって「見つめる」ことの連続だったと言います。 その対象に真摯に向かい合い、撮影を続ける行為は、読経のように一貫して自分自身を見つめ、向き合うことでもありました。 そうして本質を見極めながら写真にとどめられた「川」は、さまざまに水の姿を変え、見るものの胸を打ちます。また、その作品に向かい合ったとき、その川とともに流れる、時の流れに思いを馳せるでしょう。

梶井照陰(かじい・しょういん)
1976年生まれ、新潟県出身。1999年高野山大学密教学科卒業。16歳の頃より写真雑誌などで作品を発表し始める。1995年~1999年、高野山で修行。ベトナム、カンボジア、タイ、パプアニューギニア、イギリスなど、世界各国を訪ね、積極的に取材して歩く。2004年、佐渡の波を撮り続けたシリーズで第1回フォイル・アワードを受賞、写真集『NAMI』(フォイル刊)を発表する。本作で、2005年度日本写真協会新人賞を受賞。また、日本の過疎地を取材した『限界集落―Marginal Village』(フォイル刊)での活動が評価され、2009年に第20回五島記念文化賞美術新人賞を受賞。現在、佐渡島にて真言宗の僧侶をするかたわら、写真家としての活動をおこなっている。

※全文提供: フォイル・ギャラリー


会期: 2010年9月17日(金)-2010年10月16日(土)

最終更新 2010年 9月 17日
 

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