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塚本美奈:Melting point
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 7月 20日

画像提供:Port Gallery T
Copyright © 2009 Mina Tsukamoto

塚本は、映像、写真、メディアそのものの特性や可能性を学び、実際に手探りながら精力的に制作を続けています。

私たちはまず写真を見る時、「何が写された写真なのだろう」という入口から視線を向けるのではないでしょうか。それは写真というものが複製技術であるとい うことを前提とすれば自然な身振りともいえます。しかし、塚本は写真画像そのものの物質性の地点に触れる行為を起こし、「写真を通して何を見ているのか」 という本質に迫ろうと試みます。そこには写されることと、見ることの狭間に有する「時間」への問いをも含んでいきます。

本作は、今春東京で開かれた「アートアワードトーキョー丸の内」での入賞シリーズでもあります。まずは、写真の前で視線を向けていただければと思います。

作家コメント
「Melting point」は写真画像を溶解したものを再撮影したものである。 写真を漂白剤入りの水につけると、写真画像はしだいに溶け最後には真っ白な紙だけが残る。
融点とは個体と液体とが平衡を保って存在する温度のことである。それは曖昧な存在のままそこに存在しているものとも言える。このとき、見ているものはどこ から写真であり、どこから違うと言い切れるのか、存在としても判別がつかなくなる。写真を通して何を見ているのか、何を見ようとしているのか、写真というものは気づかせてくれると感じている。見ているものは決して本物ではない。それが写 真というものの奥深さの一つだとも考える。
(塚本美奈)

塚本美奈(Mina Tsukamoto)
1984年長野県生まれ。2007年大阪成蹊大学芸術学部デザイン学科映像メディア表現領域卒業。2010年情報科学芸術大学大学院メディア表現専攻科修士課程修了。現在、長野県在住。写真メディアから、写真と時間の問題を捉え、写すものと写されるものの関係を提示する作品を制作している。

主な活動
2006年 個展「きらめきの彼方」大阪成蹊大学芸術学部学内ギャラリー<space B>(京都)2008年 個展「hour glass」AD&Aギャラリー(大阪)2010年「情報科学芸術大学院大学第8期生終了研究発表会」ソフトピアジャパン(岐阜)、「アートアワードトーキョー丸の内2010」東京駅行幸地下ギャラリー(東京)

※全文提供: Port Gallery T


会期: 2010年7月26日(月)-2010年7月31日(土)

最終更新 2010年 7月 26日
 

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